研究課題/領域番号 |
22K05476
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
小椋 賢治 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (50270682)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 日本酒 / 原材料 / 清酒 / 原料判別 / 核磁気共鳴 |
研究開始時の研究の概要 |
清酒(日本酒)の原料は米,米麹,水であるが,エタノール(醸造用アルコール)を添加する製法も認められている. 世界的な清酒の需要拡大にともない,その原料を判別する方法が求められている. 生物が取り込む元素の安定同位体比は生物種および生育環境に影響され,天然存在比から僅かにずれが生じることが知られている. 本研究では,核磁気共鳴分光法(NMR)を用いて,清酒に含まれるエタノール中の水素と炭素の安定同位体比を計測する.NMRで計測した安定同位体比を清酒の原料判別に利用できるか検討し,原料表示(アルコール添加の有無,原料米の品種と産地)の真偽を判定する方法を開発する.
|
研究実績の概要 |
2022年度の研究実績の概要 本研究では,日本酒の原材料および産地を,NMRによる同位体分析を用いて判別する手法を開発することを目的としている.食品に含まれる元素の同位体存在比は,原材料の生物種や生育環境を反映して,地球上の元素の天然存在比からわずかにずれることが知られている.本研究の成果は,TPPなど日本酒の国際取引の場面において,日本酒の品質を科学的手法により評価あるいは保証する手段となることが予想され,日本酒のブランド価値を保護することにつながる. NMR同位体分析のためには,日本酒に含まれるエチルアルコールを高濃度で精製する必要がある.そのため,本研究では,高性能の蒸留装置が必要である. 蒸留の理論に基づき,備品として購入する蒸留装置の仕様を策定し,装置メーカーに発注および購入した.備品として設置された蒸留装置を用いて,市販の日本酒の蒸留をおこなった.蒸留温度および蒸留時間などを検討して,最適な蒸留条件を決定した.日本酒から蒸留したエチルアルコールの濃度を比重法で測定した.さらに,1H-NMRを測定して,1H-NMRスペクトルの水酸基とH2Oの信号面積から,エチルアルコールと水の質量比を計測した.その結果,当該蒸留装置を用いて,市販の日本酒から質量パーセント濃度で90%以上のエチルアルコールを精製する方法を確立した. 今後は,日本酒から精製したエチルアルコールを測定試料として,NMRによる同位体分析を実施する.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画に備品として記載した機器を購入し,実際に実験に使用したところ,想定どおりの実験結果が得られ,次年度以降の研究計画および方法が計画どおり実施できる目処がたったため,
|
今後の研究の推進方策 |
日本酒を蒸留して得られたエチルアルコールを測定試料として,NMR測定をおこない,同位体分析をおこなう.同位体分析の結果と日本酒の原料および産地を比較し,それらが同位体比率と相関があるかどうか調べる.
|