研究課題/領域番号 |
22K05478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
扇谷 えり子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (80300820)
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研究分担者 |
佐藤 健司 京都大学, 農学研究科, 教授 (00202094)
新屋 政春 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10405277)
小谷 晋一郎 京都府立医科大学, 医学部, 研究員 (30783964)
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SARS-CoV-2 / 茶 / EGCG / テアフラビン類 / 抗ウイルス効果 / 天然化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
SARS-CoV-2は、主として感染者の唾液中のウイルスが飛沫を通じて伝播する。我々は、唾液中のウイルスを不活化する方策として、食品成分でSARS-CoV-2を不活化する可能性を考え、そのような食品成分を探索した。その結果、茶(緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶等)で処理すると、SARS-CoV-2の感染力が著しく低下することを見出した。緑茶に含まれるEGCG、紅茶に含まれるガレート型テアフラビン類等にこの SARS-CoV-2不活化活性があることを見出した。我々はさらに、未知の活性成分も見出している。そこで本研究ではこれら分子の同定とウイルス不活化の分子機構解析等を行い、COVID-19の感染拡大抑制に寄与する知見の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
SARS-CoV-2のヒトーヒト間の伝播には、感染者(とくに無症候キャリア)の唾液が重要な役割を果たす。我々は、唾液中のウイルスを不活化できれば感染拡大を抑制できる可能性が あり、それには、食品でSARS-CoV-2を不活化できれば理想的であろうと考え、そのような 食品成分を探索した。その結果茶(緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶)で処理すると、SARS-CoV-2オリジナル株(武漢株)の感染力が著しく減少することを見出した。その有効成分は緑茶ではエピガロカテキンガレート(EGCG)、紅茶ではテアフラビン3,3’-ジーO-ガレート(TFDG)、テアフラビン-3-O-ガレート、テアフラビン-3’-O-ガレートであった。本研究では、オミクロン型変異株の各亜株に対する、これらカテキン類化合物の不活化能を評価し、亜株ごとに異なる感受性を示すことを明らかにした。さらに亜株間の感受性の違いをもたらす分子メカニズムについてin vitroとin silicoで解析を行い、カテキン類の化合物と各オミクロン亜株のスパイクタンパクとの相互作用の違いが関係する可能性を報告した。本研究の成果は、今後さらなる変異株が出現した際にその感染拡大を抑制する方略につながる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オミクロン型変異株の各亜株に対するカテキン類の化合物の不活化能について詳細な解析結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
抗ウイルス効果が高い新規化合物を探索し構造を解析するとともに抗ウイルス作用の分子メカニズムを解析する。
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