研究課題/領域番号 |
22K05479
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
高橋 芳久 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (70334381)
|
研究分担者 |
大藏 直樹 帝京大学, 薬学部, 准教授 (60349256)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / ウロリチン / エラグ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、3種類の代表的なウロリチンが非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を抑制するかを実験的に調べ、またウロリチンの前駆物質であるエラグ酸を豊富に含む食品の摂取でNAFLDが軽減されるかをヒト症例を用いて臨床的・病理学的に検討する。 ウロリチンはエラグ酸が腸内細菌によって代謝されて生じる物質である。少数の実験的研究によりエラグ酸のNAFLDに対する有効性が報告されている。しかし、その効果は主としてウロリチンによる可能性もある。また、エラグ酸を豊富に含む食品を摂取することでヒトのNAFLDが抑制されるかは明らかでない。 本研究により、NAFLDに対するこれまでにない生活指導が可能となる。
|
研究実績の概要 |
本研究を実施するにあたって、まず肝組織の脂肪化や線維化の程度を人工知能(AI)を用いて定量化する方法の開発にとりかかった。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)における脂肪化や線維化の組織病理学的評価は通常半定量的に行われるが、研究においては、より客観的で正確な評価が望まれるためである。AI搭載画像解析ソフトQuPathを使用してsupervised machine learningを行い、脂肪化や線維化の正確な認識および定量化に成功し、その成果を論文化した(Comput Struct Biotechnol J, in press)。 また、既に開始していた、ハスカップ果実抽出物の原発性胆汁性胆管炎(PBC)および原発性硬化性胆管炎(PSC)モデルマウスに対する効果を調べる関連研究を先行して行った。結果として、中用量および高用量ハスカップ果実抽出物の投与により、血清ALP、AST、ALT値は低下する傾向が見られた。肝組織像の半定量解析でも、中用量群はコントロール群よりも胆管炎や線維化が軽い傾向が見られた。免疫染色標本の画像解析にて、Tリンパ球の浸潤は中用量群がコントロール群よりも有意に減少していた。現在、PSCモデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べる研究を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のように、関連研究を先行して行ったため、本研究課題の開始はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
上記のように、肝組織の脂肪化や線維化をAIで正確に認識し定量化する方法を既に確立した。今後の研究で本技術を使用することが可能である。また、PBCおよびPSCモデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べる関連研究も順調に進んでおり、PBCモデルマウスの屠殺は既に終了し、PSCモデルマウスの屠殺は今年の7月に行う予定である。その後に、本研究課題の実験を本格的に行う。 まず、代表的ウロリチンやエラグ酸のNAFLDモデルマウスに対する抑制効果を調べる研究を行う。具体的には、6週齢、雄のC57BL/6Jマウスを36匹購入し、1週間環境に馴化させた後、以下の6群に分ける(各群6匹):①コントロール食群、②高脂肪高コレステロール(HFHC)食群、③ウロリチンA群(0.1%ウロリチンA添加HFHC食を投与)、④ウロリチンB群(0.1%ウロリチンB添加HFHC食を投与)、⑤ウロリチンC群(0.1%ウロリチンC添加HFHC食を投与)、⑥エラグ酸群(0.1%エラグ酸添加HFHC食を投与)。20週後にマウスを屠殺し、血清生化学的、組織病理学的、および分子的解析を行う。この研究により、ウロリチンのNAFLDに対する抑制効果が証明され、最も有効なウロリチンの種類が確定されることが期待される。
|