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終末糖化産物受容体の機能を抑制しうる食品成分の探索と効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K05485
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

小堀 俊郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, グループ長 (10353971)

研究分担者 後藤 真生  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (30302590)
石川 祐子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主席研究員 (40353940)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード終末糖化産物 / 筋萎縮 / 食品
研究開始時の研究の概要

終末糖化産物(AGEs)が骨格筋のタンパク質合成経路の活性を低下させるほか、RAGEのノックアウトが虚弱を抑制することなどが知られているが、これらはAGEsとRAGEの相互作用を抑制できれば、タンパク質の合成・分解のバランスを是正できる可能性を示唆している。そこで本研究では、AGEsとRAGEの相互作用を弱める効果のある食品成分候補の探索、骨格筋細胞や実験動物による影響解析を行い、AGEsとRAGEの結合を抑えることにより筋萎縮への進展を遅延させられるかを検証する。

研究実績の概要

終末糖化産物(AGEs)は、食品の加熱加工中にタンパク質と糖が結合するメイラード反応によって生じる多様な分子群であり、焼き色や香ばしさ等、食品の付加価値向上に寄与している。一方、近年、体内でも過剰なグルコースに由来する糖化ストレスにより体内でAGEs(内在性AGEs)が生じ、老化や加齢性疾患を誘発しうることが示唆されている。加えて、長期の食事性AGEsの摂取により筋萎縮を誘発する可能性も示された。そのため、社会問題となっているフレイル等の進行を遅延させるには、糖摂取の適正化による内因性AGEsの発生抑制に加えて、食事性AGEsの影響を低減させる食デザインが必要である。
AGEsは細胞膜上の受容体であるRAGE(Receptor for AGEs)への結合を契機として細胞内での炎症応答を誘発する。食によってAGEsの負の影響を効果的に低減させるには、食事性AGEsの低減及び抗酸化成分の摂取に加えて、AGEsとRAGEの結合を抑制する食品成分の摂取を組合せることが有効と考え、本課題では食品成分とAGEs-RAGE相互作用との関係に着目して研究を推進している。
令和4年度は、AGEsとRAGEの相互作用を弱める効果のある食品成分候補の探索を行った。これまでに申請者らが開発した組換えヒトRAGEを用いた試験管内AGEs評価技術を用いてAGEs-RAGE相互作用に及ぼす影響を評価したところ、数種類の抗酸化成分が相互作用を低減させたほか、多糖類にもAGEs-RAGE相互作用の低減効果を有するものがあることを明らかにした。一方、C2C12マウス筋芽細胞を用いて試験管内で分化への影響を評価したところ、分化前のAGE処理が分化後の形態に影響する可能性を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

組換えヒトRAGEを用いた試験管内AGEs評価技術を用いて、食品成分のAGEs-RAGE相互作用低減効果を評価した。既に見出していた成分に加えて、R4年度にさらに3つの候補を見出し、相互作用低減効果の高い成分について構造活性相関を解析しているところである。また、マウスC2C12細胞の分化に及ぼすAGEsの影響を検討するにあたり、対照区とするための分化条件の確定に想定よりも時間がかかったが、現有設備においても再現性良く分化する条件を確立した。これにより、分化前のC2C12筋芽細胞にAGEs処理を施すと分化後の形態が対照区とは異なることを見出し、この影響を解明するために関連遺伝子の発現解析を進めているところである。以上より、当初計画通りに進捗していると判断した。

今後の研究の推進方策

AGEs-RAGE相互作用の低減効果を持つ食品成分については、効果発現機構の解明に向けて熱測定等による相互作用解析を行うほか、AGEsによる骨格筋細胞の形態変化が食品成分によってどのように影響されるかを検討する。また、炎症性サイトカイン及びタンパク質合成・分解に関わる関連タンパク質の発現消長などと併せて解析する。候補の食品成分には抗酸化活性を有するものがあることから、RAGE-AGEsの相互作用低減と抗酸化作用が、筋萎縮の予防効果に互いに独立して機能するかをRNA干渉法により解明する。細胞レベルでの解析結果を踏まえて実験動物による影響解析を行う。AGEsを多く含む餌(高AGEs食)及び通常食の各々に候補成分を添加した場合と添加しない場合で長期摂食試験を行い、握力測定あるいは筋力測定によって候補成分の筋萎縮に及ぼす影響を個体レベルで解析する。

報告書

(1件)
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 刺激性AGEsの判別評価技術の開発と展望2022

    • 著者名/発表者名
      小堀俊郎
    • 学会等名
      食品ニューテクノロジー研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 生体に影響する刺激性終末糖化産物の評価技術の開発2022

    • 著者名/発表者名
      小堀俊郎、Deepak Ganesh、熊野みゆき、鳥越香子、町田幸子
    • 学会等名
      第32回日本メイラード学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2023-12-25  

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