研究課題/領域番号 |
22K05491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
沖田 善光 静岡大学, 工学部, 講師 (60270310)
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研究分担者 |
中村 晴信 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10322140)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 機能性食品 / GABA / 脳波 / 人工知能 / AI / コヒーレンス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
機能性食品の成分であるGABAの抗ストレス効果として、自律・中枢神経系が関与することが示されているが、脳波を使用して中枢神経系の脳活動を調べる上で眼球電位の影響及びGABAの中枢神経系の個人間の脳活動レベルの違いが大きな問題点としてある。そのため中枢神経系の時間的な脳活動関連パターンから、GABAの抗ストレス効果に繋がる神経生理機構を解明することは難しい。本研究では、AIとコヒーレンス解析を用いてGABAを含む食品によるヒトの神経基盤の脳内のストレス軽減メカニズムを解明に繋がる推定手法の確立を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では人工知能(AI)による眼球電位の低減及び時間的変化を含む大脳皮質の脳領域間の連関が可能となる動的コヒーレンス解析を用いて個人間のGABAの脳波活動関連パターンの分類・学習からストレス低減機構の解明に繋がる推定手法の確立を目的とする。 本年度は、(1)機能性成分GABAの摂取前後における多チャンネル同時計測・解析システムによる神経生理学的指標の検討及びAIを用いた眼球電位の低減手法の検討を行った。 本年度は、時系列データの長期的な依存関係を学習することが可能なLSTMニューラルネットワークモデルを用いて脳波から眼球電位を低減するように学習させた。さらに,学習させたモデルを用いて、機能性成分GABA摂取前後の脳波での眼球電位低減効果を検討した。その後、眼球電位低減による機能性成分GABA摂取前後の脳波の各種スペクトル及び脳部位間のコヒーレンス解析を行った。さらに機能性成分GABAを用いて脳の高次機能を調べるために視・聴覚刺激システム装置の開発を行った。 その結果、AIを用いて眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出し眼球電位を低減する上で、様々な眼球電位の特徴を学習する高性能AI技術による生体信号処理手法の確立が重要であることが分かった。さらにAIを用いて眼球電位を低減した上で、脳波の各種スペクトル解析及びコヒーレンス解析の結果から機能性成分GABAによる脳活動の部位の特定を示すことができた。また、今回開発した視・聴覚刺激システム装置を用いて事象関連脳電位である随伴陰性電位(CNV)とP300の波形を同時に確認することができた。 以上よりAIを用いて眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習した上で眼球電位を低減し、機能性成分GABAの摂取前後における脳波の各種スペクトルによる脳活動の変化及びコヒーレンス解析による脳部位間の関係を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、AIを用いて脳波に含まれる眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習した上で、様々な眼球電位の低減による生体信号処理手法にかなりの時間を要した。このため、機能性成分GABAによる視・聴覚刺激システム装置を用いてヒト実験における中枢神経活動の神経生理データの時間-周波数解析の調査及び機能性成分GABAの摂取前後のストレスホルモン指標測定並びにその指標と神経生理学的指標との相互関係について調べるには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、高性能AI技術を用いて脳波に含まれる様々な眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習し、それを用いて様々な眼球電位パターンに分類した上で、そのパターン毎に応じて眼球電位を低減後、1)視・聴覚刺激システム装置を用いて機能性成分GABAの摂取前後における神経生理学的指標の解析及び(2)機能性成分GABAの摂取前後のストレスホルモン指標測定並びにその指標と神経生理学的指標との相互関係について調べる。
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