研究課題/領域番号 |
22K05492
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 由佳子 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60212156)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 味覚 / 酸味 / 塩味 / ATP / マウス / 味細胞 / 5HT / ATP受容体 / ATP受容 |
研究開始時の研究の概要 |
味覚の側方抑制や増幅といった味情報リファインメント処理メカニズムは見つけられていない。形態学的に異なる4種類の味受容細胞の機能がすべて解明されていないこと、うま味・甘味・苦味を受容するII型味細胞からの神経伝達物質のATPがエネルギー物質としても機能するため研究を困難にしている。申請者が明らかにしたATPを受容する細胞の存在から、ATP受容細胞の役割について明らかにするため、生理学手法(細胞応答の電気生理学的測定)と生化学手法(免疫染色による物質探究)を組み合わせて、ATP受容細胞を含めたIII型味細胞からの神経伝達物質を同定し、さらにそれらの物質によるII型、III型味細胞への影響を調べる。
|
研究実績の概要 |
味細胞はⅠ型~Ⅳ型の4つに分類され、Ⅱ型は甘味、うまみ、苦味を認識する細胞、Ⅲ型細胞は酸味を認識する細胞であると考えられている。上記の細胞のうち味物質を認識するのはⅡ型とⅢ型細胞である。甘味、うまみ、苦味はⅡ型細胞で受容され、酸味はⅢ型細胞で受容され、塩味は複数の細胞タイプでの応答が報告されている。甘味、うまみ、苦味に比較し、リガンド(味物質)がイオンである酸味・塩味の味受容メカニズムは、受容体を含めて不明なことが多い。しかし、先行研究から、Ⅲ型細胞が神経伝達物質としてのATPを受容するATP受容型とATP非受容型に分類され、塩味と酸味はATP非受容型Ⅲ型細胞に受容されること、そして、酸味のみを受容する細胞と塩味・酸味両方を受容する細胞が存在することが明らかにされている。前年度の研究で、Ⅲ型細胞は酸味受容細胞と神経伝達物質ATPを受容するATP受容細胞が存在することや、Ⅲ型細胞が高濃度の塩味を受容することが報告されていた。しかし、高濃度の塩味の受容メカニズムは受容体を含め、不明な点が多い。そこで本研究では高濃度の塩味を受容するⅢ型細胞の特性を解明することを目的とした。 まず酸味細胞の塩味受容に着目し、pH応答性と塩味受容との関連性を調べた。カルシウムイメージング法で酸味細胞が応答した酸味溶液のpHと、塩味溶液への応答性を確認したが、特定のpHへの応答と塩味受容との関連性は確認できなかった。その一方で、酸味には応答せず、塩味溶液にのみ応答したⅢ型細胞が多く確認できた。次に、高濃度の塩味を受容するⅢ型細胞の、ATP溶液と酸味溶液への応答性を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
急激な円安により、十分に経費をまかなえていない
|
今後の研究の推進方策 |
得られた成果を国際会議で発表し、国際誌でも公表する
|