研究課題/領域番号 |
22K05505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
山下 慎司 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90531434)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / 腸管 / セラミド / グルコシルセラミド / 消化器官 |
研究開始時の研究の概要 |
セラミド骨格を特徴とするスフィンゴ脂質は食品の由来により極性基の異なる様々なクラスが存在する。本研究では、食品の由来により異なるスフィンゴ脂質クラスが大腸の炎症等に及ぼす影響を培養腸細胞と大腸疾患モデル動物を用い調査する。とくに細胞試験では、各種脂質クラスとそれらの消化分解物による効果を比較するとともに、脂肪酸などの極性基以外の構造の違いに焦点をあて、その作用機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
セラミド骨格を特徴とするスフィンゴ脂質は食品の由来により極性基の異なる様々なクラスが存在する。我々は植物に由来するブドウ糖の結合したグルコシルセラミド(GlcCer)摂取が炎症関連大腸疾患に対する予防効果を示し、セラミド骨格およびGlcCerそのものが重要な働きを持つことを報告してきた。本研究では、食品の由来により異なるスフィンゴ脂質クラスが大腸の炎症等に及ぼす影響を培養腸細胞と大腸疾患モデル動物を用い調査する。 今年度は大腸疾患のひとつとして大腸異常腺窩巣(ACF)に対する各種スフィンゴ脂質の効果を比較した。ACFは1,2-ジメチルヒドラジン(DMH)をBALB/cマウスに腹腔内注射することにより誘導した。実験1では、極性基としてリン酸コリンを持つスフィンゴミエリン(SM)とアミノエチルホスホン酸を持つセラミドアミノエチルホスホン酸(CAEP)を比較した。それぞれのスフィンゴ脂質は卵黄とタコから精製を行った。実験2では、キノコから調製されたGlcCerとセラミドを比較した。 実験1において、DMH処理はマウス大腸においてACFを形成し、SMまたはCAEPの摂取はACF形成を抑制した。その抑制効果はSMがCAEPより強かった。また、DMH処理はマウス大腸粘膜における炎症及びアポトーシスを誘導し、SMまたはCAEPの摂取はそれらの誘導を抑制した。ACFと同じく、その抑制効果はSMがCAEPより強かった。実験2において、GlcCerまたはセラミド摂取はDMH処理により誘導されるACF形成を抑制し、その抑制効果は同程度であった。一方、DMH処理により誘導される炎症及びアポトーシスに対し、GlcCer摂取は抑制効果を示したが、セラミド摂取はほとんど抑制しなかった。実験1と2から、in vivoにおいて、スフィンゴ脂質の腸管における食品機能性は、その極性基に依存する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、極性基の異なる4つのスフィンゴ脂質を用いた動物実験を行い、興味深い結果を得ることができた。また、その結果のひとつを論文投稿し掲載されていることから、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に当初の研究計画に則り、研究を遂行する。
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