研究課題/領域番号 |
22K05512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00263963)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グルタミン酸含有ペプチド / 抗アレルギー効果 / 抗炎症効果 / ジペプチド / アスパラギン酸含有ペプチド / ペプチド / 脱顆粒 / 抗アレルギー / 抗炎症 / 好塩基球 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、グルタミン酸を基本とした様々な配列のグルタミルジペプチドの脱顆粒抑制効果や抗炎症効果などの保健機能に着目し、その作用機構を解明する。さらに、スギ花粉症などの疾患モデルマウスに対する症状緩和効果や投与したグルタミルジペプチドの体内動態解析を行う。その後、本研究により得られた基礎的知見をもとにヒト介入試験を実施し、将来的には、機能性ペプチドを活用した機能性食品開発につなげることで本研究により得られた学術的成果の社会実装を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでの研究で、グルタミン酸を含むジペプチドに好塩基球細胞株に対する顆粒放出抑制による抗アレルギー効果があることが明らかになっている。本年度は、脱顆粒抑制効果以外の生理効果について検討した。リポ多糖で炎症誘導したマウスマクロファージ細胞株RAW264.7細胞の炎症性サイトカイン(免疫タンパク質)の産生を指標としてグルタミン酸含有ジペプチドの抗炎症効果を検討した。その結果、評価した16種類のグルタミン酸含有ジペプチドには顕著な抗炎症効果は認められなかった。そこで、脱顆粒抑制効果においてアスパラギン酸とグルタミン酸からなるジペプチドに顕著な効果が認められたことから、アスパラギン酸に着目し、16種類のアスパラギン酸含有ジペプチドの抗炎症効果を検討した。その結果、アスパラギン酸とアルギニンのジペプチド(Asp-ArgおよびArg-Asp)、アスパラギン酸ジペプチド(Asp-Asp)およびヒスチジン(His)-Aspに炎症性サイトカインであるIL-6およびTNF-αの産生を顕著に抑制する効果が認められた。 次に、グルタミン酸およびヒスチジンを含有するジペプチドとして、His-GluおよびGlu-Hisのラット好塩基球細胞株RBL-2H3細胞に対する脱顆粒抑制効果を評価した。その結果、両ジペプチドに活性が認められ、C末端がGluであるHis-Gluにより強い比活性が確認された。次に、ポリGlu(分子量12,000以上)およびポリHis(分子量5,000から25,000)について活性評価した結果、いずれにも活性が認められ、特にポリHisは、非常に強い脱顆粒抑制活性を持つことが明らかになった。ヒスチジン自体にも弱いながらも有意な抑制効果が認められた。一方、代表的なHis含有ジペプチドであるカルノシンとアンセリンにはいずれも脱顆粒抑制効果は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、本年度はグルタミルジペプチドの脱顆粒抑制効果に加え、抗炎症効果に関する評価を実施し、抗炎症効果については、グルタミン酸よりもアスパラギン酸の方が抗炎症効果には重要であることを明らかにし、ペプチドの新たな機能性解明につながった。 一方、グルタミルジペプチドの脱顆粒抑制効果については、グルタミン酸とヒスチジンの組合せによるジペプチドに着目して検討した結果、C末端側にグルタミン酸があるHis-Gluに強い脱顆粒抑制効果を確認するとともに、ヒスチジンのポリマーが顕著な脱顆粒抑制効果を持つことが明らかになった。 これらの結果から、グルタミルジペプチドだけでなく、アスパラギン酸やヒスチジンを含有するペプチドの機能性を明らかにすることができた。本年度実施予定であったペプチドの機能性スクリーニングについては予定通り実行できたと考えており、研究は概ね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度については、脱顆粒抑制効果の強いグルタミルジペプチドを選択し、作用メカニズムの解析を行う。また、アレルギーモデルマウスに対するグルタミルジペプチドおよびその他の活性が強いペプチドの経口投与によるアレルギー症状改善効果を評価する。概ね当初予定通りの研究を推進する。 また、本研究成果の社会実装を目指し、タンパク質を豊富に含む食品のプロテアーゼ分解物の効果を評価したい。
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