研究課題/領域番号 |
22K05530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
遠藤 泰志 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (60194049)
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研究分担者 |
村松 宏 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (20373045)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水晶振動子 / 加工食品 / 酵素反応 / リパーゼ / アミラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、酵素反応を用いて、加工食品が製造されることが多くなってきた。製品の製造の進行度を確認するには、反応の途中で経時的にサンプリングして、そのサンプルを分析することで、製品がどの程度製造されているかを確認する必要がある。そのため、リアルタイムで酵素反応の進行度を計測できることが望まれている。本研究では、微量の質量や粘度の変化を測定できる水晶振動子センサーを用いて、共振周波数および共振抵抗の変動から加工食品製造における酵素反応の進行度をリアルタイムで評価できるシステムと、コンピューターを接続することで、酵素反応を制御するシステムを構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
食品加工に用いられる酵素反応のリアルタイムでのモニタリングに水晶振動子センサーが有効であるか調べた結果、下記のように水晶振動子センサーの有効性を認めた。 2022年度:エステラーゼ反応に水晶振動子センサーの利用を試みた。アルコールにメタノール、エタノールとプロパノールを、カルボン酸に酪酸、ヘキサン、オクタン酸を、エステルに酪酸 メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、オクタン酸メチル、オクタン酸エチル、オクタン酸プロピルの共振周波数と共振抵抗を測定した結果、エステル化合物は、アルコールやカルボン酸より共振抵抗が低いことが分かった。 2023年度:1)リパーゼによる脂肪酸のエステル化反応:脂肪酸にオレイン酸、リノール酸、リノレン酸を、アルコールにメタノール又はエタノールを混合した後、37℃にて固定化リパーゼでエステル化反応を行ない、水晶振動子センサーで経時的に共振周波数と共振抵抗を測定した。その結果、脂肪酸やアルコールの種類に関係なく、共振抵抗が低下した。 2)リパーゼによる油脂の加水分解反応:油脂にトリオレインを用いて緩衝液中で豚膵臓リパーゼによる加水分解反応を40℃で行って、水晶振動子センサーで経時的に共振周波数と共振抵抗を測定した。その結果、トリオレインの加水分解に伴い共振抵抗が低下した。 3)アミラーゼによるデンプンの加水分解反応:デンプン水溶液にアミラーゼを添加した後、37℃にて水晶振動子センサーで共振抵抗を測定した結果、酵素活性が高いほど、共振抵抗の減少が大きかった。共振抵抗を測定することにより、アミラーゼによるデンプンの加水分解をリアルタイムでモニタリングすることが可能と示唆された。 これより、水晶振動子センサーは、食品加工に使われる酵素反応をリアルタイムでモニタリングするのに有効であると示唆された。
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