研究課題/領域番号 |
22K05544
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
辻 聡 高崎健康福祉大学, 農学部, 助教 (20712756)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 納豆 / 味噌 / Dipeptidyl peptidase 4 / 機能性ペプチド / 2型糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は納豆と味噌が、2型糖尿病の治療薬にDipeptidyl peptidase 4(DPP4)阻害薬と同じ活性を有する機能性ペプチドを含むことを報告した。納豆と味噌では阻害活性の強弱に差がみられるが、過去の報告は多様な納豆と味噌の一部の試験であり、納豆や味噌全体のDPP4阻害活性や性質は明らかになっていない。本研究では、多数の納豆と味噌のDPP4阻害活性を測定し、群間及び種間にて比較、評価することで、高機能性を有する発酵性大豆食品の製造方法構築に役立つ基盤技術の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
これまでの試験により、市販納豆および市販味噌にはDPP4阻害活性ペプチドが含まれていることが分かっている。しかし、商品ごとにDPP4阻害活性に差が在ることから、DPP4阻害活性ペプチドを増減させる要因があると考えられる。そこで、味噌と納豆の製造工程の改良によるDPP4阻害活性ペプチドの生成量増加を目的として各種試験を行った。納豆に関しては、使用する大豆の産地、品種、粒径および熟成工程の温度、期間について変動させた納豆を研究室内で試作し、影響を測定した。味噌に関しては消費量の多い米味噌を対象に試験を行った。試験項目として、使用する大豆及び米麹の原料配合比および加熱温度や加熱時間の増減、発酵温度を変化させた味噌を研究室内で試作し、影響について測定した。また、味噌は大豆以外に米や麦由来のタンパク質が分解されたペプチドによる影響があると想定されたため、麹菌より抽出した酵素を用いた大豆タンパク質の分解モデルを構築し、影響を調べた。これらの各条件が納豆および味噌のDPP4阻害活性に与える影響の一部について知見を得ることができた。発酵食品の呈味性向上のためには原料タンパク質をアミノ酸単位にまで分解することが重要である。しかし、DPP4阻害活性ペプチドを増加させるためには、ペプチド単位の分解に抑える必要があり、呈味性と機能性を両立させるためには、タンパク質分解酵素群を保有する微生物種の選抜および適切な発酵条件の構築が重要であると判断した。現在はDPP4阻害活性ペプチドの生成量の増減が確認された各製造条件下で、いかなる反応が行われているかに関して、データを蓄積している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各大豆発酵食品の製造条件の改良する中で、当初の想定よりも長期間の日数が必要な製造条件の検討を行う必要が発生した。この試験を複数回行った結果、進行に遅れが発生した。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、昨年度に判明したDPP4阻害活性ペプチドの生成量を増加させる発酵食品製造方法の詳細な検討を行う。これまでに判明した各条件下において、DPP4阻害活性物質の生成に影響を与える各種因子について検討し、原因を探索する。また、判明した原因を最適化することにより更なるDPP4阻害活性ペプチドの生成量増加を試みる。
|