研究課題/領域番号 |
22K05545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
岩田 直洋 城西大学, 薬学部, 助教 (50552759)
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研究分担者 |
日比野 康英 城西大学, 薬学部, 教授 (10189805)
岡崎 真理 城西大学, 薬学部, 教授 (50272901)
神内 伸也 城西大学, 薬学部, 教授 (80433647)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 機能性食品 / 血栓 / 糖尿病 / 脳梗塞 / 酸化ストレス / 抗血栓薬 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞の発症には、糖尿病などの生活習慣病を危険因子としたアテローム性動脈硬化などによる血栓形成が関与している。血栓形成は、突発的に起こることから予測することが困難であることや薬物による根治が難しいため、一次予防となり得る機能性食品の摂取が有用であると考える。しかし、糖尿病と脳梗塞併発時における食品の効果やそのメカニズムについて明確にしている報告は少ない。そこで本研究は、両疾患併発時における機能性食品による脳保護メカニズムを明らかにするとともに、治療薬との併用による効果を検討する。
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研究実績の概要 |
脳梗塞に代表される虚血性脳血管障害は、我が国の死亡原因の上位を占めており、これらの発症には、糖尿病をはじめとする生活習慣病を危険因子とし、アテローム性動脈硬化などによる血栓形成が関与している。血栓形成は、突発的に発症することから予測することが困難であることや脳においては適応時間の制約などから薬物による根治は難しく、一次予防となりうる機能性食品が有用であると考える。これまでに抗血栓効果を有する食品を探索した結果、シイタケ菌糸体からの抽出物に有用性を見出したが、糖尿病併発時における血栓性脳梗塞に与える効果やそのメカニズムについは明らかになっていない。そこで本研究では、糖尿病と血栓性脳梗塞併発時におけるシイタケ菌糸体抽出物による脳保護メカニズムを明らかにするとともに、治療薬との併用によって薬剤の治療可能時間域を延長し得るか検討することを目的とした。 塩化鉄曝露による血栓形成モデル動物を用いて、シイタケ菌糸体抽出物による抗血栓メカニズムの解析を行った。これまでにフィブリン血栓の形成や血小板活性化に関与する組織因子(TF)の発現を解析した結果、塩化鉄曝露で増加したTFの発現をシイタケ菌糸体抽出物によって減少させる傾向がみられた。そこで、TF発現の上流に位置するGSK-3β/NF-κBシグナル伝達経路を解析した結果、塩化鉄障害によってGSK-3βの脱リン酸化とNF-κBのリン酸化を促進することが認められた。一方で、シイタケ菌糸体抽出物の摂取によってこれらの因子を抑制する傾向が認められた。 以上のことから、シイタケ菌糸体抽出物の継続的な摂取は、GSK-3β/NF-κBシグナル伝達経路を介したTF発現を抑制することで血栓形成の阻害が生じ、動脈閉塞を遅延させる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施項目として以下の5項目を計画しており、1)塩化鉄曝露による血栓形成モデル動物を用いて、シイタケ菌糸体抽出物による抗血栓メカニズムの解析を行う。2)糖尿病態ラットの血栓形成メカニズムを検討するとともにシイタケ菌糸体抽出物の効果の有無について判定する。3)糖尿病態と血栓性脳梗塞併発モデル動物を作製し、脳障害増悪の機序について解明する。4)シイタケ菌糸体抽出物の単独あるいは、薬剤併用との効果を判定する。5)シイタケ菌糸体抽出物併用によるt-PAの治療可能時間域への影響について検討することを計画した。 2023年度では、上記にある項目1)について実施している途中であるもののシイタケ菌糸体抽出物による抗血栓メカニズムの一因について明らかになりつつあることから、引き続き、詳細な検討を行う予定である。一方で、項目2-3)については、モデル作製の条件検討に時間を要したことから当初計画よりやや遅れているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
上記の進捗状況欄に記入した項目より、項目1)の解析については継続する予定である。糖尿病態は血栓形成を促進することが知られており、凝固系因子などの発現が非糖尿病時と比較して大きく変化していることが考えられることから、糖尿病態モデルを用いて内因系/外因系凝固因子について解析する。さらに、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、カルシウム再加時間、フィブリノーゲン量、血小板凝集試験、プラスミン活性、出血時間に対する作用を解析するとともに、シイタケ菌糸体抽出物による抗血栓効果の有無について判定する予定である。 以上の研究計画は、これまで通り各実験項目の分野に精通した共同研究者を責任者とし、実験経過や成果について充分な協議、考察の上で研究を推進し、かつ問題点に対処していく。
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