研究課題/領域番号 |
22K05548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
芦田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ビフィズス菌 / グリコシダーゼ / アラビノース / アラビノキシラン / アラビナン |
研究開始時の研究の概要 |
ビフィズス菌はヒト腸内の善玉菌の代表であり、腸のビフィズス菌を増やすことは、ヒトの健康や寿命に良い影響を与えると考えられている。乳児から成人にまで広く分布するBifidobacterium longum subsp. longumはアラビナンやアラビノキシランなどの植物性多糖の側鎖の分解酵素を多数持つものの、主鎖をエンド型に分解する酵素を持たず、鎖長の長い植物性多糖を効率的に利用できない。そこで、種々の方法でアラビナンやアラビノキシランを断片化してビフィズス菌が利用しやすい鎖長の糖鎖にすることで、食品に利用可能な植物由来のビフィズス菌増殖因子を創製する。
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研究実績の概要 |
申請書提出以降に Bifibacterium longum subsp. longum のゲノム中に存在するGH43クラスターのうちBLLJ_1850とBLLJ_1851についての論文が受理された。これでロンガムがもつ9個のGH43遺伝子のうち7個の解析が終了し論文化することができた。令和4年度は未着手であったBLLJ_1718とBLLJ_1719の解析を実施した。BLLJ_1719はpNP-α-Arafを分解しアラビナンやアラビノキシランからアラビノースを遊離させた。アラビノキシラン由来オリゴ糖を用いた試験の結果、α1,2-Arafとα1,3-Arafのシングル置換側鎖構造を切断し、ダブル置換構造には作用しなかった。またアラビナンの主鎖構造であるα1,5-結合のアラビノオリゴ糖にも作用したことから、比較的広い基質特異性を有するエキソ-α-L-アラビノフラノシダーゼであることが明らかになった。一方、BLLJ_1718はpNP-α-Arafをほとんど分解せず、pNP-α-Arapを切断した。アラビノキシランオリゴ糖に対しては、α1,2-Arafとα1,3-Arafのシングル置換およびα1,2/3-Arafダブル置換構造に作用したが、分解は非常に遅かった。またアラビナンやアラビノキシランからAraを遊離しなかった。本酵素は、B. longum の他のGH43とは異なるエキソ-α-L-アラビノピラノシダーゼであると考えられるが、今回アラビノピラノースを含む天然基質が入手できなかったため詳細な解析が行えていない。アラビノピラノースは、オタネニンジン由来の配糖体Ginsenosideや、植物細胞壁にも含量は少ないながら存在することが報告されているため、これらの資化に関わる酵素であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初計画通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
アラビノキシランを食品加工用酵素処理やマイルドな化学処理によりオリゴ糖化して、ビフィズス菌に対するプレバイオティック効果の高いアラビノース側鎖を含む画分を調製して、各種のビフィズス菌やその他の腸内細菌に対する増殖促進効果を評価する。
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