研究課題/領域番号 |
22K05565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
芳本 玲 摂南大学, 農学部, 講師 (70595652)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | circRNA / SINE / スプライシング / ノンコーディングRNA |
研究開始時の研究の概要 |
circRNAの多くは細胞質で機能するが、mRNAと比べて末端構造がないためその核外輸送機構には不明な点が多い。これまでの研究で、circRNAの核外輸送は長さに応じて異なる核外輸送経路で輸送されること、さらに短いcircRNAは未知の輸送経路で核外輸送されていることを見出した。本研究提案では細胞がcircRNAの長さを認識し、核外輸送する機構を解明する。さらに短いcircRNAの核外輸送と自然免疫応答と の関わりを通して細胞がcircRNAの核外輸送経路を使い分けることの意義を解明する。新規輸送経路の同定という基礎研究から、重要な疾患に関わる機能解析へと至る研究を提案したい。
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研究実績の概要 |
環状RNA(circRNA)は、癌や統合失調症、そして自己免疫疾患といった重要な疾患との関わりがある新たな遺伝子モジュレーターであり、ヒトでは数千種類同定されている。circRNAの多くは細胞質で機能するが、mRNAと比べて末端構造がないためその核外輸送機構には不明な点が多い。申請者のこれまでの研究で、circRNAの核外輸送は長さに応じて異なる核外輸送経路で輸送されること、さらに1000塩基未満の短いcircRNAは未知の輸送経路で核外輸送されていることを見出した。本研究提案では細胞がcircRNAの長さを認識し、核外輸送する機構を解明する。さらに短いcircRNAの核外輸送と自然免疫応答との関わりを通して細胞がcircRNAの核外輸送経路を使い分けることの意義を解明する。新規輸送経路の同定という基礎研究から、重要な疾患に関わる機能解析へと至る研究を提案したい。 本年度は、機能性circRNAの一つであるciRS-7/CDR1の核外輸送経路について論文化のためにデータを集めたとともに、マウスSINE B1による環状化が起こるcircRNAの探索時に、思いがけず見出したノンコーディングRNA 4.5SHの新機能解明に多くの時間を割いた。 4.5SHは小型齧歯類特異的に発現するノンコーディングRNAであり、SINE B1と高い相同性を示す。4.5SHノックアウトマウスは胚性致死であることから、重要な機能を有していることが示唆された。そこでノックアウトES細胞のRNA-Seq解析を行ったところ、4.5SHの機能の一つとして、マウスゲノム中に数多く存在するSINE B1の有害なエキソン化を抑制することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、circRNA核外輸送において、長さの違いを見分けるメカニズム解明と自然免疫応答に対する効果の検証を目的とし、以下の2つのテーマを提案する。 ①circRNA核外輸送経路に関わる因子の同定(R4~5) ②短いcircRNAと長いcircRNAが異なる経路で核外輸送される意義の探求(R5~6) ②のテーマ遂行時、小型齧歯類であるマウスのcircRNAを発現するレポーター作製する必要があり、その環状化に必要なエレメントであるSINE B1について調べていたところ、偶然にも約40年前に国内外の研究者らによって見いだされた機能未知のノンコーディングRNA4.5SHがイントロン内のアンチセンスSINE B1エレメントのエキソン化を抑えるというノンコーディングRNAの新機能を解明につながった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について本研究で提案した2つのテーマ毎に記す ①circRNA核外輸送経路に関わる因子の同定(R4~5) 機能性circRNA ciRS-7/CDR1asのcircRNA輸送経路が示せたので論文化を目指す。 ②短いcircRNAと長いcircRNAが異なる経路で核外輸送される意義の探求(R5~6) 偶然にも4.5SH RNAがSINE B1のエキソン化を阻害するというノンコーディングRNAの新機能を発見し、その改変RNAがスプライシングを制御するツールとして使えることを発明した。こちらも有力雑誌への投稿を目指す。
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