研究課題/領域番号 |
22K05587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
塩野 克宏 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (20610695)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 酸素 / センシング / 湿害 / 洪水 / 根 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の食糧自給率を増やすためには水田転換畑で問題となる畑作物の耐湿性向上が必要である。酸素漏出バリアは耐湿性の重要形質であるものの、感知誘導に関わる形成制御機構は未解明である。本研究ではイネの酸素漏出バリア形成を誘導する環境因子(物質)とその物質を感知する組織を特定し、形成制御に関わる植物ホルモン・遺伝子ネットワークの解明を試みる。これにより、酸素漏出バリア機能を畑作物に付与する基盤を整える。
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研究実績の概要 |
我が国の食糧自給率を増やすため、水田転換畑で問題となる畑作物の耐湿性向上が求められている。湿生植物が形成する酸素漏出バリアは耐湿性の重要形質であるものの、その感知誘導に関わる制御機構は未解明のままである。本研究ではイネの酸素漏出バリア形成を誘導する環境因子(物質)とその物質を感知する組織を特定し、どのような植物ホルモン・遺伝子ネットワークがバリア形成を制御するのかを明らかにする。さらに、イネと畑作物(オオムギ)の間の環境変化の感知機構の違いを明らかにすることで、オオムギに欠けているシグナルネットワークの特定を試みる。以上を通じて、畑作物に酸素漏出バリア機能を付与するために重要な分子の特定を目指し、研究を進めることとした。 令和4年度、酸素漏出バリアを誘導する環境因子を明らかにするため、湛水した土壌で早い段階で変化する、硝酸態窒素の減少とアンモニア態窒素の上昇がイネのバリアの誘導に関わるかどうかを調査した。興味深いことに、同じ窒素源であるアンモニア態窒素の上昇はバリアを誘導しないものの、硝酸態窒素の減少は顕著にバリアを誘導することが明らかになった。さらに、硝酸態窒素の減少を感知する組織の特定を目指し、split-rootシステム(根の一部だけ処理する栽培系)を用いて部分的に環境状態を変えて、バリアの誘導性を調査した。これまでのところ、栽培が不安定になるため一貫した結果が得られていない。次年度以降、研究の遅れを取り戻すべく、実験の継続により、安定した結果が得られるよう研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度(令和4年度)、硝酸態窒素の減少を感知する組織の特定を目指し、split-rootシステム(根の一部だけ処理する栽培系)により、根の根端側や基部側といった特定部分だけ を低硝酸条件で栽培し、バリア形成の評価を試みた。しかしながら、これまでのところ、栽培が不安定になるため一貫した結果が得られず、結論に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降、同様のSplit-rootシステムによる実験を継続する。さらに、問題解消の可能性を高めるため、新しいsplit-rootシステムの栽培系を立ち上げる。これにより、安定した結果が得られるよう研究を進める。
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