研究課題/領域番号 |
22K05592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西田 瑞彦 東北大学, 農学研究科, 教授 (20355324)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 雑草由来窒素 / 牛ふん堆肥由来窒素 / 有機水田 / 窒素循環 / バイオアクセラレーター / 重窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
有機農業では作物と競合して繁茂する雑草も農業生態系の養分循環の一部をなし、作物の養分供給源になり得る。さらに雑草には養分循環をアクセラレートする機能を有する可能性が示唆されている。本研究では、この雑草の養分循環アクセラレート機能を解明するために、有機農業において雑草が吸収した養分が、有機農業生態系でどのように循環するのか詳細に解明する。有機水田における代表的強害雑草のコナギとヒエを重窒素標識し、その窒素動態を詳細に追跡し、有機水田生態系の窒素循環における雑草の役割を定量的に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、有機農業生態系における雑草が吸収した養分の循環システム全体を解明し、雑草が有機農業生態系の養分循環をアクセラレートする機能を解明することを目的とする。 研究対象とする養分は作物の生育と生産にとって最も重要な窒素とし、対象雑草は代表的強害雑草のコナギ(広葉雑草)およびヒエ(イネ科雑草)とする。雑草のような有機物を由来とする窒素の循環を正確に解明するには、重窒素トレーサー法が有効である。本研究ではコナギとヒエを重窒素標識し、その形態変化とフローを解明する。 まず有機水田で施用される有機物由来窒素の雑草と水稲の競合関係を定量化する必要があると考えた。そこで重窒素標識した牛ふん堆肥を有機水田に設けた1株試験区に施用し、雑草放任条件と雑草除去条件における牛ふん堆肥由来窒素の水稲および雑草による吸収量を定量した。雑草放任区の水稲による牛ふん堆肥窒素吸収量は雑草除去区に比べて少なく、ほぼその減少量に相当する牛ふん堆肥由来窒素が雑草によって吸収されていた。このことから、有機水田において雑草は水稲と堆肥由来窒素を競合して獲得していることが確認された。 コナギとヒエを重窒素標識し、一昨年の12月に有機水田に設けた1株試験区の土壌に施用し、昨年の水稲作におけるこれらの雑草由来窒素の水稲および雑草による吸収量、土壌への残存量を定量した。雑草由来窒素の水稲による吸収率はイネ科雑草のヒエと広葉雑草のコナギで異なり、ヒエの方が水稲による吸収率が高かった。土壌へは7割以上が残存し、ヒエの方が残存率が高い傾向であった。未回収画分はコナギの方がヒエより1割程度高く、コナギ由来窒素はヒエに比べて系外へ消失しやすい可能性が示された。以上のことから、雑草種によってその窒素動態は異なることが明らかとなった。また多くが土壌に残存することから、次作以降の窒素供給源となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた有機水田におけるコナギとヒエ由来窒素の水稲1作後の動態を定量化できたことから、おおむね順調に推移していると考えている。一方で、コナギとヒエの還元時期が水稲の収穫後しばらくしての初冬と遅かったこと、雑草の生育が試験区内では周辺よりも劣って見えたことから、これらの点を検討し条件を改善していく必要があると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
雑草の還元時期を実際の圃場条件に近づける必要がある。具体的には、雑草が生育期間中に除草機により土壌還元される時期、収穫後の耕起により土壌還元される時期の2種類のタイミングで雑草を土壌還元し、その窒素動態を追跡する方針である。また、本研究で用いている小規模プロットを仕切るための枠内で雑草が周囲よりも繁茂しない原因を明らかにし、実験条件を改善する方針である。
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