研究課題/領域番号 |
22K05595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
神山 拓也 宇都宮大学, 農学部, 助教 (80750801)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ミニライゾトロン法 / 塹壕法 / 円筒モノリス法 / コムギ / 局所施肥 / 異形根 / リン / 根 / 根箱 |
研究開始時の研究の概要 |
根系は局所的に施用されたリンに応答して、局所的に根を繁茂させ生育を改善させることが知られている。しかし、形態と機能の異なる根「異形根」から構成される根系の「どの異形根」が、「いつから」、「どこまでの土壌中のリン濃度勾配」を「どれぐらいの分解能で感知」し、局所的に根を繁茂させ、生育を改善させているのかはわかっていない。本研究では、根系発育を経時的に観察でき、伸長した根系そのままの状態の標本を作成できる根箱法を用い、上記の疑問に答える。また、得られた実験データから根系発育モデルを作成し、様々な施肥条件での根系発育をシミュレートし、比較することで、最適な肥料濃度と施肥位置、を提案する。
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研究実績の概要 |
これまでに、申請者の考案した根箱法を用いることで、リン酸局所施肥条件では、異形根である種子根、節根および側根のうち、側根のみが発根直後から土壌中の可給態リン酸濃度に応じて、その量を増減させ、植物のリン吸収量を改善していることが明らかになった。また、生育改善効果が期待できるリン酸局所施肥条件がわかってきた。 2023年は、圃場で植物がリンの局所施肥に応答し根を繁茂させ、効率的にリンを吸収し収量を改善できることを実証するために、圃場で非破壊で根系を観察するための方法を構築した。 圃場において非破壊で根系を観察する方法の一つとして、地中に埋設した透明なチューブの表面に出現する根の画像を取得し、非破壊で根系を解析するミニライゾトロン法がある。2023年は、ミニライゾトロン法に近年開発されたAIを用いた画像解析技術を組み合わせることで根長を解析し、既存の手法(塹壕法、円筒モノリス法)と比較することで、その値の妥当性を検証した。得られた結果から、圃場でのAIを用いたミニライゾトロンの画像解析データは、土壌深度0から40cmまで実用的であると結論した。 また、反復のない試験ではあるが、リン酸の局所施肥により、分げつ、穂数および1穂粒数の増加により、コムギの収量が2倍以上に向上した。今後、反復を設けた試験を実施し、圃場で植物がリンの局所施肥に応答し根を繁茂させ、効率的にリンを吸収し収量を改善できることを実証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
圃場で非破壊で根系を観察できる実験系を構築したため。
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今後の研究の推進方策 |
圃場で非破壊で根系を観察できる実験系を用いて、圃場で植物がリンの局所施肥に応答し根を繁茂させ、効率的にリンを吸収し収量を改善できることを実証していく。
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