研究課題/領域番号 |
22K05596
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
安田 美智子 (登坂美智子) 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (30425649)
|
研究分担者 |
吉田 明希子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特別研究員 (00718174)
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | イネ / Bradyrhizobium属細菌 / 細菌叢解析 / NLP / 植物微生物共生 / Bradyrhizobium / 窒素固定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水田土壌で栽培した野生株および硝酸応答シグナル変異体イネの根圏微生物叢解析およびイネと根圏微生物の両方のトランスクリプトーム解析を行うことによ り、硝酸応答シグナルを介したイネと根圏Bradyrhizobium属細菌の相互作用を解明する。
|
研究実績の概要 |
ダイズとBradyrhizobium属細菌の共生においてNIN遺伝子は重要な役割を果たしている。本研究では、イネのNIN-like protein(NLP)のCRISPR/Cas9による遺伝子欠損変異株を作成し、イネに共生するBradyrhizobiumが硝酸シグナルにNLPが関与しているかどうかを検証することを目的としている。現段階で一つのOsnlp変異体のホモ個体の作成が完了した。野生株と得られたNLP欠損株の根から分泌する有機酸についてHPLCで測定を行った結果、リンゴ酸とコハク酸の分泌が増加することが示された。また、細菌叢解析を行うために農工大府中本町水田土壌を採取し、室内栽培室にて4週間イネの野生株とnlp欠損変異体を栽培した。洗浄した根からDNAを抽出し、細菌の 16sRNA遺伝子を対象にアンプリコン解析を行った結果、野生株とNLP変異体では根に定着した細菌叢に違いがあることが明らかになった。ベータ多様性解析の結果、NLPのTos-insertion株、CRISPR/Cas9変異株2系統が似た細菌群集構造をしており、野生株とは異なることが示されたため、NLPが細菌群集構造に影響を及ぼすことが示された。LEfSe解析の結果、野生株に比べて硝酸還元などに機能するRhizobia属、Sulfuricurvum属などの細菌が優位にnlp変異体に多く存在することが示された。申請者はこれまでにイネからBradyrhizobium属細菌を単離しており、いくつかの菌がイネの成長を促進する効果を示した。今年度は、単離したBradyrhizobiumとイネnlp変異株を用いて、水田にいるBradyrhizobobiumとイネの新たな共生関係を明らかにする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにNLP遺伝子欠損株を作出し、有機酸分析、細菌叢解析を実施した。今後はイネから単離したBradyrhizobium属細菌の変異株への定着などを解析して行く予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は得られたイネNLP変異体において、Bradyrhizobiumの定着量が異なるのか、Bradyrhizobiumを定着させるためにイネがどのような物質を利用しているのかなどを解析し、イネとBradyrhizoobium属細菌の共生関係を明らかにして行く。
|