研究課題/領域番号 |
22K05625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小田原 真樹 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (40460034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 開花 / 遺伝子送達 / ペプチド / RNAデリバリー |
研究開始時の研究の概要 |
植物の開花の促進は世代交代を早め、育種を加速させる。また、結実を早めることから、農業上も有用である。融合ペプチド法は様々な植物の様々な組織に適用可能な汎用性の高い簡便な核酸送達技術である。本研究では、融合ペプチド法を用いて植物にRNAを導入することにより、非組み換えの開花促進技術を開発する。
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研究実績の概要 |
本年度は、花成応答マーカー遺伝子発現を指標としたFT mRNA導入評価法により、FT mRNA導入の時期と回数の最適化を第一に行った。シロイヌナズナ内在のFT 発現レベルが大きく増加する発芽後10日程度までの実生において、ペプチド法によるFT mRNA導入の影響を検討した結果、7-9日目の実生において花成応答マーカーの有意な発現上昇が観察された。一方、2回以上導入した場合では花成応答マーカーの発現上昇が観察されず、2回以上の導入では導入の処理が植物体の生育や発達に影響を及ぼしたと考えられる。 上記最適化した条件にてペプチド法によりFT mRNAを導入し、開花日数の測定を行った結果、有意な開花日数の短縮が観察された。また同時に開花時の葉数の減少も観察され、FT mRNAにより開花が促進されたことが示唆される。導入するFT mRNAのCap+polyA修飾も検討したが、開花促進におけるFT mRNAとの差異は観察されなかった。 並行して進めていたFT上流遺伝子の抑制による開花促進法の開発では、ペプチド法によるsiRNA導入によって上流遺伝子の発現抑制が観察されたものの、有意なFT発現の増加そして下流に存在する花成応答マーカー発現の誘導は観察されなかった。複数のFT上流遺伝子に関して発現抑制を検討したが、花成応答マーカー遺伝子発現の変動は観察されなかった。 FT mRNA導入による開花促進技術が確立しつつあったため、本年度はFT mRNA導入による開花促進に関する定量的なデータの取得、論文作成に注力した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
代替策として進めていたFT上流遺伝子の抑制による開花促進は現時点では達成できていないものの、メインで進めていたFT mRNA導入による開花促進技術は確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
FT mRNA導入により開花の促進が観察されたが、最適化の余地がある。 論文化へ向けての修正等の作業を行うとともに、引き続きmRNA/ペプチド比などペプチド法の最適化を行い、より開花促進される条件を見出す。また、研究室で開発されている新規キャリアを用いたFT mRNAの送達も検討し、より効率的な開花促進技術の開発を行う。
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