研究課題/領域番号 |
22K05636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
神戸 敏成 龍谷大学, 農学部, 教授 (00393108)
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研究分担者 |
小松 健 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60451837)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ユリ / ウイルスフリー化 / 脱分化 / 再分化 / ユリモットルウイルス / オオバコモザイクウイルス / ウイルスフリー / 脱分化ー再分化系 |
研究開始時の研究の概要 |
植物におけるウイルス病は品質低下や収量の減少など大きな問題を引き起こしているが、一度ウイルスに感染すると有効な農薬はなく、現時点では成長点培養によるウイルスフリー苗の作出が唯一有効な方法である。これは植物の成長点付近はウイルスが感染していない場合が多いことを利用しているが、非常に微細な成長点を摘出するための職人技的な技術が必要とされている。 本研究ではウイルスに感染した植物から脱分化により得られたカルスからの再分化の過程において、成長点と類似する組織が多数形成されることに着目し、脱分化―再分化系を利用したウイルスフリー化技術を確立するとともに、ウイルスの消失過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ユリモットルウイルス(LMoV)感染が確認されているカノコユリからピクロラム添加培地で誘導されたカルスはスクロースの濃度(5-30 g/L)には影響されることなく増殖が見られた。このカルスは誘導から2年間以上継代培養を続けているが安定して増殖している。さらに、このカルスはピクロラム無添加で低濃度の(10 g/L)スクロースを含む培地へ移植することにより、不定根およびシュートの再分化が高い確率で起こり、カノコユリのカルス培養を用いた再分化系を確立することができ、脱分化ー再分化系を利用したウイルスフリー化技術確立に向けた実験に用いることが可能になった。 オオバコモザイクウイルス(PlAMV)の各種野草分離株(14株)の全長ゲノム塩基配列を決定し、既報の配列と合わせて系統解析を行なった。その結果、PlAMVは鑑賞ユリの分離株のみが集まったユリクレード以外に、4つの野草クレードからなることがわかった。それぞれのクレードの代表分離株について、RT-qPCRによる検出系を確立し、微量感染のチェックが可能となった。 PlAMVの鑑賞ユリから分離された株はこれまで単一の配列でユリに感染する感染性クローンが存在しなかった。そこで、鑑賞ユリから精製したウイルス粒子からウイルスゲノムRNAを抽出し、全長cDNAを合成して感染性クローンを構築した。これを鑑賞ユリに粗汁液を注入するとともに葉への機械接種を行なったところ、壊疽症状が認められるとともにRT-PCRとシーケンスにより接種した配列が検出された。以上より、単一配列のPlAMVをユリの球根に感染させる系が確立し、今後のウイルスフリー化の実験に用いることが可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で目指す新たなウイルスフリー化技術における最も基本技術となる脱分化ー再分化系が確立できたこと。 本研究において欠かすことができないウイルスの微量感染チェックを可能とするRT-qPCRによる検出系をオオバコモザイクウイルス(PlAMV)で確立し、単一配列のPlAMVをユリの球根に感染させる系が確立し、今後のウイルスフリー化の実験に用いることが可能になったこと。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に確立したカノコユリの脱分化ー再分化系を利用して、ウイルスフリー化が可能かの検証を行う。その際に、ウイルスを低減する効果の報告があるアスコルビン酸添加の効果についても併せて検証する。さらに、カノコユリ以外のユリについて脱分化ー再分化系を確立して、ウイルスフリー化実験に利用する。 前年度に確立した、単一配列のPlAMVをユリの球根に感染させる系を用いて、ウイルスフリー化されたユリ鱗茎に接種試験を行い、ウイルス感染を確認する。さらに、低温での休眠と次年度の発芽の実験を行い、多年度生育でウイルスがどの部分によく蓄積するのか、などの動態を解析する。
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