研究課題/領域番号 |
22K05649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堺 俊之 京都大学, 農学研究科, 助教 (50911682)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 種間比較発現解析 / 生物種間の発現解析 / 発現差異解析 / NLR |
研究開始時の研究の概要 |
植物免疫システムにおいて、NLRタンパク質は、病原菌のエフェクタータンパク質を認識し、細胞死を誘導することにより植物に病害抵抗性を付与する。NLRの中には複数の分子が相互作用する例が存在し、1つのNLRがセンサーとしてエフェクターを認識し、もう一方のNLRはヘルパーとして細胞死の誘導に寄与する事で抵抗性を付与する事が知られている。 イネは系統毎にペアとして働くNLRを持ち、抵抗性を示す事が分かっている。そこで、本研究では、抵抗性反応時の遺伝子発現量を複数のイネ系統間で比較し、ペアとして働くNLRによって活性化される重要な遺伝子の発現機構を特定する。
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研究実績の概要 |
事前に得られているRNA-seqデータを用いた発現差異解析の結果、Pii1/2を保有するイネひとめぼれ系統に、AVR-Piiをもついもち病菌を接種した際に、抵抗性に関与すると考えられる遺伝子の発現が顕著に誘導された。 この結果は、ペアNLRがAVRを認識した際に、これらの抵抗性に関与する遺伝子が機能し、細胞死を誘導しているものと考えられる。よって、他のイネ系統のペアNLRに関しても同様の反応が得られることが期待される。 本研究では、Pik-1/2遺伝子を持つ系統「関東51号」と、RGA4/5遺伝子を持つ系統「ササニシキ」、Pii-1/2遺伝子を持つ系統「ひとめぼれ」に対し、それぞれAVR-Pik, AVR-Pia, AVR-Piiを保有するイネいもち病菌を接種し、系統間で共通して保存されている発現変動遺伝子や系統特異的な発現変動遺伝子を、共発現解析や時系列パターン解析を用いて同定することが目的である。 解析のためには、いもち病菌接種後の複数タイムポイントでRNA-seqを行う必要がある。 本年度は、どのタイムポイントでRNA-seqを行うかの条件検討をササニシキを用いて行った。しかし、インキュベータ内でのイネの生育状態が芳しくなく、本年度末まで実験に最適な状態なイネを得ることが出来なかった。ただし、年度末に最適なイネの生育に成功し始めているので、次年度以降、条件検討から再度実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、どのタイムポイントでRNA-seqを行うかの条件検討をササニシキを用いて行い、いもち病菌接種後、何時間経過した時点でRNA-seqを実施すると抵抗性に関与する遺伝子の変動が顕著に表れるのかを確認する予定であった。 しかし、インキュベータ内でのイネの生育状態が芳しくなく、本年度末まで実験に最適な状態なイネを得ることが出来なかった。ただし、年度末に最適なイネの生育に成功し始めているので、次年度以降、条件検討から再度実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の前半に、どのタイムポイントでRNA-seqを行うかの条件検討をササニシキを用いて行い、いもち病菌接種後、何時間経過した時点でRNA-seqを実施するかを決定する予定である。 後半には、Pik-1/2遺伝子を持つ系統「関東51号」と、RGA4/5遺伝子を持つ系統「ササニシキ」、Pii-1/2遺伝子を持つ系統「ひとめぼれ」に対し、それぞれAVR-Pik, AVR-Pia, AVR-Piiを保有するイネいもち病菌を接種し、条件検討にて決定したタイムポイントにおいてRNA-seqを実施する予定である。得られた時系列発現量データを元に、系統間で共通して保存されている発現変動遺伝子や系統特異的な発現変動遺伝子を、共発現解析や時系列パターン解析を用いて同定する。
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