研究課題/領域番号 |
22K05656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
石川 敦司 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (70264687)
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研究分担者 |
鈴木 孝征 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50535797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 非宿主抵抗性 / 葉齢 / 転写因子 / 翻訳因子 / シロイヌナズナ / イネいもち病菌 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の抵抗性は、齢(age)による制御を受け、成長と関連している。齢依存的抵抗性は複数の遺伝子により制御される高度に複雑な過程であるが、その制御機構の詳細は不明である。
実際、植物がどのような因子を用いて、どのようなメカニズムで、葉齢依存的な非宿主抵抗性を制御しているかについてはほとんどわかっていない。
本研究では、シロイヌナズナの葉齢依存的な非宿主抵抗性制御機構を、申請者が新たに同定した転写因子および翻訳因子との関連から明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
シロイヌナズナは葉齢依存的な非宿主抵抗性を示すがその制御機構についてはほとんどわかっていない。わたしたちはシロイヌナズナの葉齢依存的な非宿主抵抗性制御因子を同定するために、シロイヌナズナ pen2 mlo2 pmr5 gl1 nahG 変異体を親株に用いてスクリーニングを行い、コントロールに対して異常な葉齢依存的非宿主抵抗性を示すシロイヌナズナ変異体を単離した。得られた変異体の1つは、古い葉において、コントロールに比べて強い非宿主抵抗性を示した。またこの変異体の原因遺伝子は転写コアクチベーターであった。この結果から、転写コアクチベーターがシロイヌナズナの葉齢依存的な抵抗性制御に関与していることが示唆された。 そこで令和5年度は、シロイヌナズナの葉齢依存的な抵抗性制御における転写コアクチベーターの機能を明らかにするために、この変異体を用いて下記の詳細な解析を行った。すなわち① 変異体における非適応型サクラ炭疽病菌に対する非宿主抵抗性の解析、② 変異体における適応型アブラナ科炭疽病菌に対する宿主抵抗性の解析、 ③ 野生株バックグラウンドの変異体および過剰発現体における適応型アブラナ科炭疽病菌に対する宿主抵抗性の解析である。 これらの解析から、シロイヌナズナの転写コアクチベーターは、非宿主抵抗性のみならず宿主抵抗性においても、葉齢依存的な侵入抵抗性および伸展抵抗性に関与することが示唆された。 さらにこの変異体を用いてRNAseq 解析を行った。その結果、転写コアクチベーターが制御していると予測される遺伝子として、複数の抵抗性関連遺伝子を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究により、シロイヌナズナの病原菌に対する抵抗性(非宿主抵抗性および宿主抵抗性)において、転写コアクチベーターが齢依存的な制御因子として機能していることを明らかにした。 また転写コアクチベーターは、非宿主抵抗性および宿主抵抗性それぞれの侵入抵抗性と伸展抵抗性発現過程に関与するが、その役割はそれぞれにおいて異なることを見出した。この結果から転写コアクチベーターによる複雑な抵抗性制御機構が示唆された。 さらにRNAseq 解析により、この転写コアクチベーターが制御していると予測される遺伝子として、抵抗性関連遺伝子を複数同定した。 以上の結果から、到達目標通りの成果を上がることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進展しており、今後もさらに本研究を推進させていく予定である。 来年度は、この転写コアクチベーターが制御していると予測される抵抗性関連遺伝子を中心に解析を進め、転写コアクチベーターによる葉齢依存的な転写制御について明らかにしていく予定である。 これら解析により、葉齢依存的な抵抗性の転写制御が明らかになると期待される。
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