研究課題/領域番号 |
22K05680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
龍田 勝輔 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教 (00565690)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ハスモンヨトウ / 味覚 / 農業害虫 / 塩 / 摂食抑制効果 |
研究開始時の研究の概要 |
広食性のハスモンヨトウ幼虫は花卉・蔬菜類の農作物を摂食する重要害虫であるが、その摂食行動を制御する味覚・嗅覚などの化学情報受容メカニズムは未解明である。本種の味覚受容解明を目指し、摂食行動実験を進めた結果、本種幼虫は塩への忌避感受性が非常に高く、他種昆虫とは異なる塩受容システムを持つ可能性が示唆された。本課題では、本種幼虫の味(塩)受容細胞の機能特定のため「電気生理学的手法による本種の味覚受容の全容解明」を行う。さらに、本種塩受容の応用的および発展的研究を目指し、低濃度塩による摂食阻害効果の応用的検証」および「遺伝的多様性と塩受容多様性の相関の検証」をそれぞれ行う。
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研究実績の概要 |
ハスモンヨトウ幼虫は100種類以上もの農作物を加害する広食性昆虫であり、花卉・蔬菜類の農作物を加害する重要害虫であるにも関わらず、その摂食行動を制御する味覚・嗅覚等の化学情報受容メカニズムは未解明である。昆虫が植物に含まれる成分(味物質)をどのように味わうのか、その味情報が食べる行動にどのように結びつくのかを明らかにすることは、昆虫の基本的な感覚機能を知るという基礎的研究であるとともに、味覚を利用した害虫防除の一助といった応用的研究への可能性を持つ。本研究は、広食性昆虫であるハスモンヨトウ幼虫が他種生物が好む低濃度塩を忌避することを発見しており、塩受容というシンプルな味覚受容を利用した作物加害抑制系の構築を目指している。 摂食行動実験および電気生理実験により基礎的な味覚受容を推定した結果、本種幼虫は他種昆虫とは異なる味覚受容システムを持つことが示唆された。特に、味覚応答が既知である昆虫と比較して水および塩に対する感受性が高いことが明らかとなった。加えて、本種幼虫がもつ味覚感覚子の摂食行動制御に関わる機能を推定し、Maxillary palpによる塩受容が塩による摂食抑制効果に寄与していることが示唆された。加えて高い水感受性を有することから、本種幼虫は血中塩濃度の厳密に調節していおり、恒常的な塩摂食による血中塩濃度上昇が摂食行動異常を引き起こすことが予想された。そこで、高濃度塩(1 or 2 M)を幼虫血リンパ中にインジェクションし、摂食量、生体重を測定したところ、いずれも減少傾向にあるものの有意な差は確認できなかった。以上の結果より、本種の低濃度塩に対する忌避行動は、味覚大きく依存している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電気生理実験の結果により、本種幼虫が塩に加えて水に対して高い感受性を有することが明らかとなった。そのため、本種幼虫は血中塩濃度の厳密に調節していおり、恒常的な塩摂食による血中塩濃度上昇が摂食行動異常を引き起こすことが予想された。そこで、高濃度塩(1 or 2 M)を幼虫血リンパ中にインジェクションし、摂食量、生体重を測定したところ、いずれも減少傾向にあるものの有意な差は確認できなかった。以上の結果より、本種の低濃度塩に対する忌避行動は、味覚大きく依存している可能性が示唆された。本研究成果は、高い水感受性を有すること及び味覚(塩受容)が摂食行動抑制に大きく寄与することを明らかとしており、当初研究計画にはなかった新たな進展があったものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
1)血中塩濃度増加による摂食抑制効果の検証実験は不十分なデータであることから、今後も計測項目(糞重量、糞中塩濃度、ect)を追加し詳細に解析する予定である。 2)本種幼虫の塩および水受容体の機能解析を目標とし、1齢幼虫および終齢幼虫頭部からtotal RNA抽出、RNA-Seq解析による候補受容体の選定を予定している。他種生物から明らかとなっているGr, ppk, IR,などの膜タンパク質を候補としている。 3)引き続き幼虫口器の味覚感覚子(MP, ss1, ss2)の詳細な機能解析を電気生理実験により実施する。 4)塩による摂食阻害効果を詳細に検証するため、Naイオンが含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属元素を中心に接触実験を行う。Li, Mg, K, Caの各種塩化物、グルコン酸化合物、およびグルコン酸を使用予定である。 5)1、2、4の結果をまとめて論文作成
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