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ウンカ類とその食性に関与する共生真菌の関係に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K05685
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39050:昆虫科学関連
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

矢代 敏久  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 主任研究員 (30846712)

研究分担者 真田 幸代  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 研究領域長補佐 (80533140)
野崎 友成  基礎生物学研究所, 進化ゲノミクス研究室, 助教 (80932467)
三田 敏治  九州大学, 農学研究院, 助教 (90581851)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードウンカ / 食性 / 共生真菌
研究開始時の研究の概要

昆虫の食性には体内に共生する菌類が深く関わり得ることが知られている。しかし、これまでの研究は、特定の種の昆虫の食性に特定の共生菌類が関与することを示したものがほとんどである。本研究では、ウンカ科昆虫とその少なくとも一部の種の食性への関与が知られている共生真菌に着目し、網羅的なウンカ科各種の食性解析、網羅的なウンカ科及びその共生真菌の分子系統解析、ウンカ科の種間での共生真菌の入れ替え実験によって、ウンカ科というグループの昆虫における食性の多様化への共生真菌の関与の解明を目指す。

研究実績の概要

昆虫の分類群(例えば、科レベル)において、食性の多様化に共生菌類がどのように関与しているのかを網羅的に調べることで、昆虫と菌類の新たな関係を見出すことを目的とした本研究課題では、ウンカ科昆虫と少なくとも一部の種のウンカの食性への関与が知られている共生真菌に着目し、(1)網羅的なウンカ科各種の食性解析、(2)網羅的なウンカ科及びその共生真菌の分子系統解析、(3)ウンカ科の種間での共生真菌の入れ替え実験によって、ウンカ科昆虫における食性の多様化への共生真菌の関与の解明を目指す。
(1)として、昨年度に引き続き、腸内植物DNAをメタバーコーディング解析に用いるウンカ科各種の採集を本州、九州、沖縄で行った。また、上記メタバーコーディング解析によって寄主植物として推定された植物種を餌とする飼育実験のための植物体や種子の収集と栽培も行った。近年日本本土に侵入した農業害虫であるのウンカの一種Stenocranus pacificusについては、寄主植物に関する学会発表を行った。
(2)として、昨年度に引き続き、ウンカ科各種のDNA及びその共生真菌のDNAを抽出し、ウンカ科ではミトコンドリア遺伝子COI領域、共生真菌では18SリボソームRNA遺伝子をターゲットにPCRを行い、シーケンスにより塩基配列決定を行うための、ウンカの採集を本州、九州、沖縄で行った。DNA抽出、PCR、シーケンス作業を進めている。
(3)として、石垣島で採集したセジロウンカモドキ集団を用いて実験を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は、(1)網羅的なウンカ科各種の食性解析、(2)網羅的なウンカ科及びその共生真菌の分子系統解析、(3)ウンカ科の種間での共生真菌の入れ替え実験で構成されており、「おおむね順調に進展している。」とした理由は以下の通りである。
(1)として、ウンカ科各種の腸内植物DNAのメタバーコーディング解析及び飼育実験のためのウンカや植物の採集を本州、九州、沖縄で行い、十分なサンプル数が集まった。近年日本本土に侵入した農業害虫であるのウンカの一種Stenocranus pacificusについては、寄主植物に関する学会発表を行った。
(2)として、ウンカ科各種のDNA及びその共生真菌のDNAを抽出し、ウンカ科ではミトコンドリア遺伝子COI領域、共生真菌では18SリボソームRNA遺伝子をターゲットにPCRを行い、シーケンスにより塩基配列決定を行うためのウンカの採集を本州、九州、沖縄で行い、十分なサンプル数が集った。
(3)として、石垣島で採集したセジロウンカモドキ集団を用いて進めている。

今後の研究の推進方策

(1)日本各地で採集したウンカ科各種の腸内の植物DNAをメタバーコーディング解析によって網羅的に解析し、寄主植物を推定する。さらに、ウンカ科各種について、メタバーコーディング解析によって寄主植物として推定された植物種を餌として飼育し、生活史を回すことが可能か確認する。
(2)ウンカ科各種のDNA及びその共生真菌のDNAを抽出し、ウンカ科ではミトコンドリア遺伝子COI領域、共生真菌では18SリボソームRNA遺伝子をターゲットにPCRを行い、シーケンスにより塩基配列決定を行う。得られた塩基配列データに基づき、ウンカ科各種及びその共生真菌の網羅的な分子系統解析を行ない、食性解析の結果と併せて、ウンカ科昆虫における食性への共生真菌の関与を推定する。
(3)イネウンカ類ではないが過去に突発的なイネへの加害による被害が報告されているセジロウンカモドキの集団を、同一のケージでイネウンカ類のいずれか1種の集団と同居させ累代飼育する。餌としては、セジロウンカモドキの累代飼育に適しているコムギと、通常は累代飼育に適していないイネの両方を常時与える。上記方法による共生真菌の塩基配列決定により、セジロウンカモドキにイネウンカ類由来の共生真菌が水平伝播したかどうかを確認する。イネウンカ類由来の共生真菌がセジロウンカモドキに水平伝播していれば、イネへの産卵数とその後の卵の孵化率及び幼虫の生存率を調べ、イネに対する餌としての利用能力の向上を検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ナガウンカの1種Stenocranus pacificusの寄主植物、分布、および発生推移2024

    • 著者名/発表者名
      松村正哉・矢代敏久・真田幸代
    • 学会等名
      日本昆虫学会第 84 回大会・第 68 回日本応用動物昆虫学会大会合同大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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