研究課題/領域番号 |
22K05709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
陳 碧霞 琉球大学, 農学部, 准教授 (50606621)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 屋敷林 / 生態系サビース / 都市林管理 / 老齢木 / 森林景観 / 持続的開発 |
研究開始時の研究の概要 |
過疎化と人口の老齢化が進んでいる各離島で、フクギ屋敷林などの人工林の維持・管理にかかる手入れ・費用の確保といった課題が益々深刻化しており、フクギ屋敷林が人間にもたらす便益を再評価することとフクギ屋敷林の巨木・老齢木の管理方法の確立は、これからの緊急課題である。本研究は今後の沖縄の集落景観とフクギ並木の保全事業の判断根拠として利用できるようなフクギ屋敷林が提供する生態系サービス、それらが人間に与える便益と価値を定量的かつ標準化な評価手法を確立することと、フクギの老木・巨木の健康診断基準の開発と危険木の可視化、持続可能なフクギ植栽・剪定等管理方法の確立を研究目的としている。
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研究実績の概要 |
1) フクギの老木・巨木の健康診断基準の開発と危険木の可視化 本年度は沖縄本島本部町備瀬集落におけるフクギ屋敷林の毎木調査を行った。前年度の測量作業を継続し、約12,800本のフクギの測定結果を得られた。その中、胸高直径が20㎝以上のフクギが2,800本あった。樹木医と琉球大の共同作業により、フクギの健康状態をチェックし、記録・評価した。簡易なフクギ老木・巨木健康チェック基準を開発した。健康状態を「健全」「葉の異常」「病害虫」「一部枯損」「枯死寸前」「枯死」などのランクに分け、備瀬のフクギ巨木の健康状態の独自判断基準を作成した。ほとんどのフクギが健全であったが、開口空洞、樹皮欠損、ガジュマルなどの着生、ワイヤ巻き込みなどの問題があるフクギも多数にあった。すぐに処置すべきものと用観察ものマップを作成、緊急対応を行い、フクギ景観の美化活動を行った。 2)アンケート調査並びにヒアリング調査によって住民意識調査を行った。石垣島白保集落にて住民意識を行っている。令和5年度まで継続する予定である。3)意識啓発ワークショップの開催。フクギ染め物ワークショップを琉球大学農学部にて開催した。小学生及び琉大学生、留学生を対象としたワークショップを開催した。今後は、備瀬区に保有するフクギ屋敷林の現状、それの管理方法について、区民ワークショップを開催する。 4)フクギの苗木づくり。大学の苗畑にて2,000粒のフクギ種を令和4年9月に撒き、3月までは出芽率は50%であった。フクギ種の出芽率に関して、令和5、6年度は、継続実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域行政及び地域住民から多大なる協力を得たため、初年度の研究は順調に進展している。初年度には、約1万本のフクギを測量できた。農学部の学生だけでなく、他学部の学生も参加してもらい、5名くらいの区民も毎回のように参加してもらうのためだった。 住民意識調査は白保集落のNPOに協力してもらっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は計画の通りに推進していくと考えている。 1)備瀬集落にてフクギ屋敷林の毎木調査の継続 2)フクギ巨木の健康状態カルテの作成 3)小学生、大学生、留学生を対象としたフクギ保全意識啓発ワークショップの開催 4)フクギ屋敷林の管理及び保全に関する住民意識調査
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