研究課題/領域番号 |
22K05718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 南九州大学 |
研究代表者 |
関西 剛康 南九州大学, 環境園芸学部, 教授 (80461656)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 庭園 / 日本庭園 / 庭園史 / 日本中世史 / 足利将軍家 / 天皇家 / 禅僧 / 庭園利用 / 日本庭園史 / 室町前期 / 禅宗庭園 |
研究開始時の研究の概要 |
室町前期の京は、足利将軍家による室町幕府樹立によって武家政治が始まり、天皇家(公家)の社会的地位が低下し始めた。そのなかで、夢窓疎石を国師に迎えて臨済宗(禅宗)を保護し、天龍寺創建や西芳寺再興にみる庭園文化の転換期であった。このような背景の中で、この3者による庭園を舞台とした文化交流が展開されていった。 本研究では、主に以下の観点について明らかにする。 ①室町前期における3者(公家・武家・禅僧)を対象とした庭園の文化利用の再考 ②特に、室町前期の足利将軍家にみる公禅との文化交流の展開における庭園利用の解明 これらは、日本中世の庭園史ならびに日本文化史において重要な橋渡しの基礎研究となる。
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研究実績の概要 |
室町前期の京は、足利将軍家による室町幕府樹立によって武家の政治体制の強化が始まり、天皇家の社会的地位が低下し始めた。この時代、夢窓疎石を国師に迎えて禅宗(主に臨済宗)を保護し、創建された天龍寺庭園や再考された西芳寺庭園にみる庭園文化の転換期にあった。このような背景の中で、この武家(主に足利将軍家)、公家(主に天皇家)、禅僧(主に臨済宗)の3者による庭園を舞台とした文化交流が展開されていった。
中世日本庭園史はこれまで、主に3者それぞれに着眼した庭園研究が主流であった。しかし、近年の先行研究は、この3者間における交流から、特に足利将軍家ゆかりの武家庭園が、その影響を受けて独自に発展して行ったとする考察がなされ始めた。そこで本研究では、主に以下の観点について解明することを目的とした。1)室町前期における3者(武家・公家・禅僧)を対象とした庭園の文化利用の再考、そして、2)特に室町前期の足利将軍家にみる公禅との文化交流の展開における庭園利用の解明である。
これまでの研究成果をふまえて、3年計画(2022-2024)の初年度となる2022年度は、北山第における足利将軍家と公禅の3者による庭園利用に関する文献調査を実施した。そして、続く2023年度の研究では、夢窓疎石が関与した禅宗庭園について、その利用者及び利用目的やその方法等について、古文献調査を実施した。その結果、夢窓が、国師になる以前に地方の諸国で造られた永保寺庭園、瑞泉寺庭園、恵林寺庭園等と、国師となって京に造られた西芳寺庭園,天龍寺庭園等では、その利用者及びその利用目的や方法等に変化が見られた。その変化の原因は、天皇家との関りによる王朝文化の影響が一因しており、その影響が足利将軍家にも影響を与えていた一端を見い出しつつあると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの調査に加えて、夢窓疎石が関与した禅宗庭園を対象に、3者による庭園利用に関する文献調査を実施した結果、さらに3者による庭園利用の変遷や利用者実態の把握がされつつある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの古文献調査によって抽出できたデータを基に、さらに、それらを先行研究と比較して、学術的整合性を図るまでに方向性が見えてきつつあるため、最終年度となる2024年度は、学会に発表するための準備に取りかかる予定である。
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