研究課題/領域番号 |
22K05732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
綾部 慈子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70546994)
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研究分担者 |
相川 拓也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90343805)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ハバチ / 細胞内共生細菌 / ボルバキア / 森林食葉性昆虫 / 防除 |
研究開始時の研究の概要 |
森林食葉性害虫のハバチ類にはメスだけで増えていく増殖力の高い「産雌性単為生殖」を行う種が含まれている。様々な昆虫種において,産雌性単為生殖の原因として細胞内共生細菌の感染が示されており,この共生細菌は,雌雄間の受精時でも細胞質不和合という現象を引き起こすことが知られている。しかし,ハバチ繁殖に関わるこれらの細菌の関与は不明である。細胞内共生細菌感染による繁殖への影響とその機序がハバチにおいて解明できれば,除去処理によってその繁殖を撹乱し,増殖を抑えることができる。本研究では,ハバチ類防除技術の開発につなげるため,ハバチ類における細胞内共生細菌の感染実態とその繁殖への影響・機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本課題は,森林性害虫の代表的グループであるハバチ類において細胞内共生細菌感染の有無を把握し,共生細菌がハバチ繁殖への影響とその機序の解明によって防除技術に繋げることを目的としている。令和4年度は,害虫種から普通種まで多種のハバチを採取し,細胞内共生細菌 (Wolbachia, Cardinium) の感染についてPCR法(ftsZ, wsp, 16Sのプライマーを使用)を用いて確認した。 これまで寄主植物27種から合計4科38種のハバチを採取した。このうち,産雌性単為生殖もしくはオスが未知である種は2種のみであり,残り36種は雌雄ともに存在する種であった。共生細菌の感染有無について,現在14種の診断を終了し,4種で3つのプライマー全てで感染を示す結果が得られた。これら4種は,全て両性が存在する種であり,ノイバラの害虫として知られるアカスジチュウレンジやトウヒ類の害虫のオオアカズヒラタハバチが含まれた。このハバチにおいて,共生細菌が感染系統と非感染系統間の受精卵における細胞質不和合を引き起こす場合, 非感染系統の作出によって繁殖攪乱を生じさせることが可能となり,農薬を使わない低環境負荷の防除技術開発につながる可能性が示唆された。 また,一部の種で飼育を試みた。生態が不明な種は,蛹化させるのに失敗するなど,累代飼育に結びつけることは難しかった。生態が判明している種であっても,蛹化環境が特殊な場合や年1化の種は飼育に困難を伴った。これらの飼育試行により,次年度以降,累代飼育が期待できるハバチ種の選定に有用な知見を得るとともに,生態が不明なハバチ種においては,その乏しい生態情報を補強する知見についても得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採取したハバチのうち,一部の種では細胞内共生細菌のPCR診断が完了していないものの,DNA抽出作業は完了しており,次年度の試料と合わせて適宜遂行可能な状況にある。そのため計画通りに研究が進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き,害虫種から普通種まで多種のハバチを採取し,細胞内共生細菌 (Wolbachia, Cardinium) の感染についてPCR法を用いて確認する。また,ハバチ種の系統樹作成の準備として,複数のプライマーを用いてDNA抽出とシーケンスを試みる。共生細菌が確認されたハバチ種のうち,森林害虫種を対象とし,飼育系の確立および感染除去系統の作出を試みる。
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