研究課題/領域番号 |
22K05752
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
|
研究機関 | 岩手大学 (2023) 琉球大学 (2022) |
研究代表者 |
松本 一穂 岩手大学, 農学部, 准教授 (20528707)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 蒸発散 / 森林 / 東アジア / 統合理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では東アジアの亜寒帯から熱帯にかけて分布する様々な森林の蒸発散が立地環境(気候,土質)や林相(樹種構成,林齢)によってどのように特徴づけられるのかを解明する。さらに、得られた知見を基に、東アジア各地の様々な森林の蒸発散量を共通のパラメータで推定することを可能にする統合理論を構築する。これにより、未観測地点における森林の蒸発散量の正確な推定を可能にし、森林の水源かん養機能の評価や地域~地球規模での気候変動予測の精度向上に貢献する。
|
研究実績の概要 |
本研究では東アジアの亜寒帯から熱帯にかけて分布する様々な森林の蒸発散が立地環境(気候,土質)や林相(樹種構成,林齢)によってどのように特徴づけられるのかを解明する。さらに、得られた知見を基に、東アジア各地の様々な森林の蒸発散量を共通のパラメータで推定することを可能にする統合理論を構築する。 本研究で用いる予定のモデルには入力変数として環境因子と林分情報が必要になる。この内、土壌水分の指標としては植物の水分ストレスと関連づけることが可能な圧力水頭を用いることが妥当であると考えられる。しかし、体積含水率の観測は行われているものの、圧力水頭については観測されていないサイトも多い。また、葉面積指数についても、場所によって計測方法が異なり、相互比較が難しい状況にある。そのため、本研究では各サイトで圧力水頭と体積含水率の関係を調査し、両者の関係を示す水分特性曲線を得ることで、過去のデータに対しても体積含水率から圧力水頭を推定できるようにする。また、葉面積指数についても各サイトで全天空写真の撮影を行い、共通の基準で算出する。令和5年度は土壌水分観測システムを作製し、北海道大学雨龍研究林において水分特性曲線の調査を試みたものの、機器の不調によりデータが得られなかった。林分情報や既存の観測データ(蒸発散量,各種環境因子)については引き続き整理を進め、令和6年度には統合解析が可能になる見込みである。マレーシア・ランビルヒルズ国立公園で観測した蒸発散量については、その変動にエルニーニョが影響していることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は土壌水分特性曲線の調査を北海道大学雨龍研究林で試みたが、機器の不調によりデータが得られなかった。また、代表者の所属先の異動にともない、既存データの解析についても十分に時間が取れなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は土壌水分観測システムを再調整したうえで土壌水分特性曲線と葉面積指数の調査を北海道大学雨龍研究林と愛知県の定光寺自然休養林において実施する。また、各サイトの既存データの解析を進め、蒸発散量の環境応答特性について検討し、その結果に基づいて統合的なモデルの構築につなげる予定である。
|