研究課題/領域番号 |
22K05754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
井上 みずき 日本大学, 文理学部, 准教授 (80432342)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | クローナル植物 / 病原体=赤の女王仮説 / 植物ウイルス / 開空度 / 生態学 / ヤマノイモ / 植食者 |
研究開始時の研究の概要 |
有性繁殖は,無性繁殖に比べて2倍のコストがかかるが,病原体や寄生者に対抗進化できるために無性繁殖と比べて有利であるという病原体=赤の女王仮説がある。この仮説の野外植物個体群での検証成功例はない。その理由として,野外では病原体だけでなく植物の生育する環境条件が影響しているためだと考えた。そこで,森林に自生するヤマノイモとウイルスを材料とし,ウイルス感染と環境要因(光や土壌の栄養状態)の相互作用が植物の成長量にどのように影響するのかを明らかにする。病原体=赤の女王仮説が実際の野外個体群で成り立つのか、さらにウイルスが感染した場合にそれらが間接的に植食者の食害回避につながるかどうかを検証する。
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研究実績の概要 |
有性繁殖は,無性繁殖に比べて2倍のコストがかかるが,病原体や寄生者に対抗進化できるために無性繁殖と比べて有利であるという病原体=赤の女王仮説がある。しかし,この仮説の野外植物個体群での検証成功例はない。その理由として,野外では病原体だけでなく植物の生育する環境条件が影響しているためだと考えた。そこで、森林に自生するヤマノイモとヤマノイモモザイクウイルス(JYMV)を扱った。ヤマノイモはムカゴによる無性繁殖と種子による有性繁殖を行う雌雄異株植物である。このヤマノイモとウイルスを材料とし,ウイルス感染の地域間変異が環境要因(光や土壌の栄養状態)とどのような関係になるのかを明らかにするため、光条件として開空度を,土壌条件として土壌の窒素やリン濃度を測定した。また、目視でウイルス感染の目安であるモザイク症状の有無を確認することに加えて、無症状のウイルス葉の可能性もあるため葉からRNAを抽出し,JYMVの逆転写PCRを行い,ウイルス感染の有無を確認した。モザイク症状の程度を定量化するために、SPADを用いて葉緑素量を測定した。さらに、ウイルスに感染した場合に植物の葉内多糖類濃度が上昇するかどうかを明らかにするために葉の多糖類含有量を測定した。ウイルス感染率は集団により、10.4%~91.7%であった。ウイルスに感染した葉は葉緑素量の変動係数が有意に大きくなっており、ウイルス感染は葉の光合成能力に影響を与えていることが示された。開空度は9.4%~34.8%であり、開空度が高いほどウイルス感染率が高い傾向があった。開けた場所ほどウイルスを保持した有翅アブラムシの誘因効果が高いためなのか、それ以外の要因によるのかは今後検討する必要がある。土壌の全窒素や全炭素、CN比やリン酸濃度とウイルス感染率には相関がなかった。多糖類濃度とウイルス感染の有無には今のところ、相関はなく、今後調査地点や環境経度を含めて調査をすすめる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査地点数としては5地点であり、順調と言える。一方で栽培実験は若干、成長のコントロールに苦慮している。研究費が若干、想定より低かったため、人工気象室を湿度の調整が可能でないものにしたため、湿度があがりすぎているのが問題であることは確かめられたので、湿度調整を今後することで問題解決が可能であると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
アルバイト等も使用しながら、調査地点や解析点数を増やしていく必要がある。栽培実験は1つ1つの環境条件を測定し、問題点を改善していく予定である。SPADと画像解析の両方で病徴の激しさを本年度、定量化しているが、その結果からSPADと画像解析の値に非常に高い相関があるため、片方の解析で十分であると判断できた。したがって、研究スピードをあげるために、野外でのSPAD調査をやめ、画像解析のみで病徴の激しさを定量化することにした。
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