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常態化するカシノナガキクイムシ成虫の年2回発生がナラ枯れの拡大を加速する

研究課題

研究課題/領域番号 22K05757
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40010:森林科学関連
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

北島 博  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353662)

研究分担者 衣浦 晴生  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00353665)
齊藤 正一  山形大学, 農学部, 客員教授 (80502583)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードナラ枯れ / カシノナガキクイムシ / 発育零点 / 有効積算温度 / 生活史 / 2化性 / 関東地方 / 2化 / 温暖化
研究開始時の研究の概要

山形県産と茨城県産のカシノナガキクイムシを異なる温度条件で飼育し、越冬後の第1世代成虫および初夏に形成された穿入孔から脱出する第2世代成虫の理論上の発生時期を予測する。山形県と茨城県において、第1世代と第2世代の発生消長を調べ、理論上の発生時期と比較して温度依存性の予測の妥当性を検証する。山形県と茨城県において、秋の第2世代成虫が形成した穿入孔からの翌年の成虫の発生消長を調べ、多数の成虫が発生した場合は第2世代は秋の被害地拡大に大きく関与すると結論する。寒冷な山形県では第2世代の発生が見られない可能性もあり、これを山形県と茨城県で比較することで、年2回発生が常態化する温度条件を解析する。

研究実績の概要

森林総合研究所千代田苗畑(茨城県かすみがうら市)において、衝突板式成虫捕殺トラップと集合フェロモンにより成虫捕殺消長を調べた。また、前年に枯死したコナラから丸太を切り出し、網袋トラップに入れて脱出成虫の消長を調べた。さらに、ブナ科樹木への穿入孔数を調べ、これらを比較した。被害丸太からの脱出は6月に始まり、直ちにピークを迎えて、7月以降は漸減し、8月で終息した。一方、衝突板式トラップの捕殺は5月下旬から始まり、被害丸太からの脱出ピークである6月には大きなピークは見られず、12月まで続いた。特に、被害丸太からの脱出が終了する9月以降にも捕殺数が増加し、10月が最も多くなった。このため、6月の被害丸太からの脱出成虫が第1世代とすると、衝突板式トラップで秋に捕殺された成虫は第2世代であると考えられた。立木穿入孔数は、被害丸太からの脱出と同様に6月下旬にピークを迎え8月下旬に激減するが、9月に少し増加し集中加害を受けた立木も見られた。この9月の増加は第2世代の成虫によるものと考えられたが、立木穿入孔数の秋の値の増加は、衝突板式トラップによる捕殺数の秋の増加に比べて小さかった。このことから、第2世代は第1世代に比べると脱出成虫数は少ないこと、および秋の立木は成虫が穿孔を好む状態にないために衝突板式トラップで捕殺される割合が高くなることが示唆された。山形県朝日町では、8月と9月に成虫の穿入を観察するとともに、この間に衝突板式トラップをセットして成虫の捕獲を試みた。成虫の立木への穿入は、8月、9月とも観察され、かつ衝突板式トラップにも少数ながら成虫が捕獲できた。このことから、山形県でも茨城県と同様に第2世代が出現していると考えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本課題の目標は、1)カシノナガキクイムシの発育零点と有効積算温度の解明と発生予測、2)カシノナガキクイムシ第1、第2世代の発生の現状解明と予測の検証、3)カシノナガキクイムシ第2世代成虫による次世代繁殖と秋の被害地拡大との関係解明、4)カシノナガキクイムシ年2回発生常態化の温度条件の解析である。1)は昨年度解明して茨城県でも山形県でも2化できる可能性示し、それにより3)も達成できた。今年度は茨城県の野外条件下での継続的な調査により、実際に2化目の成虫が出現していることを示したことに加え、山形県でも9月に成虫の穿入を確認したことから、計画通りに進捗していると考えている。

今後の研究の推進方策

茨城県でカシノナガキクイムシが2化していることは間違いなく、2世代目が繁殖可能かどうかについて確認したい。山形県でも2化している可能性が確認できたが、同様に2世代目の繁殖可能性を確認したい。これまで得られたカシノナガキクイムシの生理特性も併せて、次年度は2化が可能な地域を抽出するなどの解析を考えている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 森林被害と温度に関する一考察2023

    • 著者名/発表者名
      斉藤正一
    • 学会等名
      第28回 東北森林科学会 青森大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カシノナガキクイムシと温度2023

    • 著者名/発表者名
      北島博
    • 学会等名
      第 135 回日本森林学会大会森林昆虫談話会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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