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ホオノキ主要ネオリグナン類のアリルフェノール構造に基づく新規機能性成分創製

研究課題

研究課題/領域番号 22K05773
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40020:木質科学関連
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

河村 文郎  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353655)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードホオノキ / ネオリグナン / アリルフェノール / キサンチンオキシダーゼ阻害作用 / ペルオキシダーゼ処理 / ジネオリグナン
研究開始時の研究の概要

ホオノキの主要ネオリグナンであるホノキオールは高い痛風抑制効果を示し、ネオリグナン類ではほとんど報告例のないアリル基がフェノールの芳香環に直接結合した独特な部分構造を有している。本研究では、ホノキオールの特徴的な部分構造と高い生物活性に着目し、そのC6-C3基本単位であるアリルフェノールをオリゴマー化することによりホノキオール類似物質の調製を行い、その化学構造と生物活性を明らかにすることを目的とした。また、ホノキオールと活性の低いマグノロールの顕著な活性の差異の原因を明確にすることで創製されたホノキオール類似物質の化学構造の特徴と生物活性の関係を解明する。

研究実績の概要

ホオノキの主要ネオリグナンであるホノキオールは高い痛風抑制効果を示し、ネオリグナン類ではほとんど報告例のないアリル基がフェノールの芳香環に直接結合した独特な部分構造を有している。本研究では、C6-C3基本単位であるアリルフェノール、その類縁体及びネオリグナン類をオリゴマー化することによりホノキオール類似物質の調製を行い、化学構造と生物活性を明らかにすることを目的とした。
ホオノキ樹皮の主要ネオリグナン(C6-C3二量体)のホノキオール、マグノロール、並びにそれらの構成単位(C6-C3単量体)である2-アリルフェノール及び4-アリルフェノール、さらに、これらの類縁体であるオイゲノール及びo-オイゲノールについて、酵素(ペルオキシダーゼ)処理の後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を行った。基質残存率を参考に反応性を調べた結果、単量体ではアリル基と水酸基がo-配置かp-配置かの違いによって反応性が極端に異なり、p-配置である4-アリルフェノール及びオイゲノールの反応性が非常に高く、o-配置の化合物では反応性が非常に低かった。一方、二量体ではo-配置を含むホノキオールの反応性が高かったが、p-配置のみから成るマグノロールと比較して極端な反応性の違いは見られず、温和な反応が期待できるため、両成分共単量体と比較してオリゴマーの調製に有利であると推定された。
ホオノキ樹皮抽出物から得た酢酸エチル可溶部を大量に酵素処理し、最も面積の大きかったピーク(生成物1)を分取HPLCにより単離した。質量分析及び核磁気共鳴分光分析を行い、構造解析した結果、マグノロールがホノキオールのo-配置芳香環側からビフェニル結合し、4つの芳香環が全てビフェニル結合で連結した分子構造を有する化合物と構造決定した。この化合物は酵素処理を行っていないホオノキ樹皮抽出物にも痕跡量ではあるが含有されていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ホオノキ樹皮抽出物から得た酢酸エチル可溶部を大量に酵素処理し、最も生成量の大きかった化合物を単離、構造決定することができた。一方、これまでの実験によって単量体の酵素反応については、二量体であるネオリグナン類と比較してオリゴマーを得ることが困難であると推定している。なお、アリルフェノール類縁体の反応性については、さらに種類を増やして検討する予定である。また、単離化合物の生物活性の測定も未実施であること等も含め、全体として進捗は「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

ホオノキ樹皮のネオリグナンの基本単位であるアリルフェノール(単量体)を基質とした酵素反応の参照情報を得ることを目的として、側鎖二重結合が芳香環と共役したタイプのフェニルプロパノイドであるイソオイゲノール、p-ヒドロキシけい皮酸、2-ヒドロキシシンナムアルデヒド等を用いて行う。これらの実験結果を比較することによって、側鎖二重結合と芳香環との共役の有無、芳香環上の置換基の種類や配置の影響等アリルフェノール並びに関連化合物の反応性についての詳細な知見を得る。ホオノキ樹皮抽出物から得た酢酸エチル可溶部の酵素処理を大量に行う。複数の種類のカラム(C18、C8、フェニルヘキシル、SIL)を用いて得られた酵素処理試料のHPLC分析を行い、最適な分取条件を確立する。分取HPLCにより生成物を単離した後、各種機器分析を行い、化学構造を決定する。得られた生成物の生物活性を測定し、ポジティブコントロール並びに基質であるホノキオールやマグノロールの活性と比較することによって評価する。これら一連の研究によりホオノキ樹皮のネオリグナン類のオリゴマー化による機能性の変化に関する知見を得る。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Enzymatic transformation products of major neolignans in Magnolia obovata bark2023

    • 著者名/発表者名
      Fumio Kawamura
    • 学会等名
      31st International Symposium on the Chemistry of Natural Products and the 11th International Congress on Biodiversity
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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