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木質材料の潜在的化学物質放散量推定モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K05775
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分40020:木質科学関連
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

宮本 康太  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353878)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード木質材料 / 化学物質放散 / ホルムアルデヒド
研究開始時の研究の概要

集成材や合板などの木質材料から放散される木材や接着剤由来の化学物質について、どのくらい放散し続けるのか、あるいは気中に放散された化学物質が材料内部のどこからいつ放散されたのか、という本質的なメカニズムは未解明である。そこで本研究では、木質材料の製造工程から使用環境に至る過程における化学物質の放散フローを実験的に明らかにし、木質材料の原料段階での化学物質量から将来的な放散量が推定可能なモデルを構築する。

研究実績の概要

本研究は、木質材料から放散される化学物質、特にホルムアルデヒドを対象とし、製造工程から使用環境に至る過程における放散特性を把握し、定量的な化学物質の放散マスフローを実験的に導出することを目的としている。
本年度は、木質材料のエレメントとしてファイバーを選定し、ファイバーボード製造時の熱圧工程における放散量の測定と製造因子の影響を評価した。供試材料として広葉樹ファイバーと3種類の接着剤(フェノール樹脂、メラミン・ユリア共縮合樹脂、ユリア樹脂)を用いた。ボード密度、接着剤の種類、熱圧温度を影響因子として設定した。熱圧工程中に放散されるホルムアルデヒドを、前年度に構築した手法(密閉治具の排気口から水分除去トラップを経由して気体採取バッグを接続)を用いて捕集した。また、製造後のホルムアルデヒド放散量について小形チャンバー法を用いて経時的に測定した。
本年度に定めた影響因子のうち特にボード密度が異なると、材料の有する空隙量が異なるため、材料内部からのホルムアルデヒド放散に影響すると考えられる。測定の結果、ボード密度が高いほど、熱圧工程中のホルムアルデヒド放散量は高い傾向がみられた。その一方で、製造後のホルムアルデヒド放散量は、本研究の測定期間内(約100日)ではボード密度が高いほど、放散量が低いまま推移する傾向がみられた。これらより、熱圧工程中に非定常的に生じる現象、すなわち木材及び接着剤中の水分が気化して材料外に移動する状態や接着剤の硬化が進んでエレメント間の密閉度が高まる状態で放散されることと、製造後に主として材料表面から放散されることに対しては、材料内部からの放散機構が異なることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、これまでの予備実験等も踏まえて、特に木質材料の密度に着目し、放散特性の違いを明らかにすることで、放散機構の解明に結びつく成果を得ることができた。今後、さらなる解析が必要であるが、想定していた研究成果が得られているため、研究全体としておおむね順調に進捗していると判断した。

今後の研究の推進方策

これまでに実験的に得られた成果により、種々の製造因子がホルムアルデヒド放散挙動に及ぼす影響が定量的に明らかとなってきた。さらに実証が必要な実験因子について早急に検討を進めるとともに、木質材料の製造工程から製造後に至るホルムアルデヒド放散フローの導出可能性を検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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