研究課題/領域番号 |
22K05776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
菱山 正二郎 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00353821)
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研究分担者 |
久保 智史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50399375)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リグノスルホン酸 / 木材糖化 / 酸加水分解 / 基質吸着型触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
基質吸着型の木材酸糖化触媒とし期待されるリグノスルホン酸に着目した、木材酸糖化触媒の開発を行う。これまでの研究により、リグノスルホン酸は、リグニン由来(類似)の化学構造であること、酸性官能基(スルホン酸基)を有すること等により、比較的温和な条件で、木材の酸糖化反応を触媒することが示唆されている。本課題では、リグノスルホン酸に酸性官能基を導入する等の化学改質を行い酸糖化効率の向上を図るとともに、糖化残渣からリグノスルホン酸触媒を再び製造し、酸糖化触媒として再利用することで、物質循環型の酸糖化システムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
工業リグニンとして実生産されているリグノスルホン酸の酸触媒としての機能に着目し、リグノスルホン酸による木材の糖化を検討する。本研究では、特にリグノスルホン酸の木材リグニンとの親和性を期待した、基質吸着型の酸触媒として機能有する天然由来酸触媒の開発を目指す。リグノスルホン酸水溶液によるスギ、シラカバの加水分解は可能であり、また目的とする基質吸着型の酸触媒としての機能も確認できているが、加水分解効率の改善が必要であった。今回、簡易的な手法としてリグノスルホン酸の回収再利用を前提に、リグノスルホン酸を高濃度化した木材の加水分解効率の改善を試みた。市販されている塩型のリグノスルホン酸は水に易溶であるが、本実験で調製した酸型のリグノスルホン酸の高濃度での使用には、水への溶解性(溶解速度)は低く困難な点があった。高濃度化に変わり、リグノスルホン酸にスルホン酸基を付加的に導入することによる加水分解効率の改善を試みた。スルホン酸基の付加的な導入には、単離リグニンの化学修飾で報告されているラジカルスルホン化とスルホメチル化反応を検討した。ラジカルスルホン化では、反応後のリグノスルホン酸の回収に難しい点があったために、スルホメチル化による条件検討を行った。スルホメチル化の反応性を検討する際に、スルホン酸基を持たないクラフトリグニンでの条件検討を行った。pH変化によるリグニンの可溶性の検討では、原因は不明であるが、高pH(pH=13)下の反応に比べて、pHを下げた(pH=11)条件下でスルホメチル化することでより溶解性の高い誘導体化リグニンを調製することができた。クラフトリグニンによる検討から、リグノスルホン酸のスルホメチル化を行い今後の加水分解試験に使用することとした。また、付加的な成果としては、リグニンのスルホン化反応を検討するために必要な新規モデル化合物の簡便な合成法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リグノスルホン酸の化学修飾に関しては概ね順調に進んでいると自己評価した。反応性に不明な点があったことから、構造が明確なリグニンモデル化合物による検討を計画しているが、それに先立つリグニンモデル化合物の新規合成法を、従来の合成法に比べ、短工程であり、操作性も極めて簡便である手法として付加的に確立した。
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今後の研究の推進方策 |
化学修飾リグノスルホン酸の糖化触媒としての機能を明らかにする。リグノスルホン酸の化学修飾条件の検討を行い、リグノスルホン酸の酸触媒としての機能改善を引き続き検討する。さらにリグニンモデル化合物による検討も新たに計画している。
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