研究課題/領域番号 |
22K05787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
広瀬 雅人 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (10809114)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コケムシ / 環境DNA / 生活史 / 休眠期 / 海面養殖 / 固着性動物 / 休眠 / eDNA |
研究開始時の研究の概要 |
環境中に生息する生物由来の環境DNAを対象とした調査手法は,環境評価や対象種の出現動態を把握する上で,採集・同定が困難な生物種についても検出・定量を可能にする.一方,固着性動物は動きが少ないことや活性が低い時期があることから,従来の手法では実際の生息数よりも検出精度が低いことが知られる.本研究では,コケムシ類を対象とした室内実験と野外調査により,それらの分布や生活史と環境DNAによる検出量との関係を詳細に明らかとすることで,より多様な海洋環境における固着性動物の現存量推定を可能にすることを目指す.また,より簡便な調査手法を考案することで,沿岸域での生物生産の維持や環境保全にもつなげる.
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研究実績の概要 |
本研究では,コケムシ類を中心とした固着性動物を対象とした水槽実験と実海域調査により,それらの分布や生活史と環境DNAによる検出量との関係を明らかとし,より簡便な調査手法の確立につなげることで,多様な環境における固着性動物の現存量推定を可能にすることを目指す. 前年度は,①垂下物に付着する固着生物の付着量はeDNAの検出率で評価できる,②付着量が少ない時期や離れた地点では結果が安定しない,③採泥試料からの検出率は低い,④休眠期であってもeDNAは検出されることの4点が明らかとなった.そこで本年度は,より実践に向けた調査として,①生物量の違いによる検出結果の変化,②器具の共洗いによる検出率の変化,③底生種の表層水からの検出の可否,の3点を検証する野外および室内実験を実施した. 異なる群体数のコケムシを入れた水槽実験を実施し,検出結果を比較したところ,群体数が多いサンプルにおいて検出が早い傾向がみられた.一方,数日後に同じ群体を用いて同様の実験を行った結果,日数が経過したサンプルの方が顕著に検出が早かったことから,衰弱した群体の方がより多くのDNAを放出している可能性が示唆された. 共洗い効果の検証においては,コケムシを用いて水槽実験と採水調査を実施し,コケムシ生息環境で採水したポンプをコケムシ不在水(NC水)で共洗いし,その後のNC水の採水サンプルを分析した.その結果,採水サンプル量と等量のNC水で共洗いした場合において,コケムシのDNAは検出されなかったことから,固着性動物の種特異的検出を目的とした調査においては,共洗いは有効な手段であると考えられる. コモチカエデコケムシを対象とした解析では,本種の群体が最も成長していた冬季においても,表層水から本種のDNAは検出されなかった.このことから,海底に生息する付着生物の検出には,表層水による分析だけでは不十分である可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた生物量の違いによる検出結果の比較,共洗いによる調査手法簡便化の有効性の検証,底生生物の表層水からの検出の可否について,水槽実験と野外調査の両手法により検証することができた.さらに,これらの調査の過程で,ポンプを用いた採水手法の大幅な改良も実施することができた.これらの点から,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した野外調査と同様の調査をコケムシ以外の固着性動物を対象として実施する.また,同様の調査を他海域においても実施し,本研究の結果の普遍性を確認する. ポンプを用いた簡便な採水手法を完成させ,フィールドで解析までの過程を実施できる体制を構築する.さらに,実際に漁業者とともに漁業現場において同手法を用いた環境DNAによる簡便な汚損性付着生物の検出を試みる.
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