研究課題/領域番号 |
22K05803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
広瀬 美由紀 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (00455502)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 上向きカメラ画像による魚種判別 / 長期定点モニタリング / 定点設置型計量魚群探知機 |
研究開始時の研究の概要 |
長期間・定量的に定点観測できるモニタリングシステムを開発し,海洋への人工構造物設置による水産資源の現存量・生物種・体サイズへの影響の可視化実現が本研究の目的である。 洋上風力発電施設の導入が急ピッチで進められているが,水産対象生物(水産資源)に与える影響は不明なままである。影響評価のためには,施設導入前からの継続した資源量の長期モニタリングが必要であるが方法は確立していない。そこで設置型の計量魚群探知機と光学カメラを併用し,長期間収録した音響データの高精度魚種判別手法を確立し,長期的な資源量モニタリングシステムを実現させる。
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研究実績の概要 |
多種多様な生物がいる海域において,定点設置型の計量魚探機を用いた生物種・大きさ毎の現存量の長期モニタリング手法確立のため,初年度はシステムの構築と季節・魚種数や魚群数による種判別精度の検証を行うため,定点設置した計量魚群探知機で得た音響データの魚種判別が光学カメラ画像で可能か検討することを目的とした。実験は2022年5、6、11月に橘湾沿岸に自律式広帯域計量魚群探知機(SIMRAD)とタイムラプスカメラ(TLC2020、Brinno)を海面向き(0度)に海底設置しデータの収録を行った。得られた音響データより解析ソフトEchoview(Echoview Software)のSingle target detection機能で抽出した単体エコーの探知深度と超音波反射強度を魚の分布深度および尾叉長の推定に用いた。一方、10、11月には、魚種判別が容易となる光学カメラ画像が得られるカメラ設置角度の検討のため,長崎大学環東シナ海環境資源研究センターの7 t水槽の底にタイムラプスカメラ(TLC2020)とアクションカメラ(HERO3、GoPro)を0~75度(15度刻み)に傾けて設置し、遊泳する魚を撮影した。近年,光学カメラ画像からの魚種判別に多く利用されている魚の口、尾鰭付根、背鰭・尻鰭前側の写っている箇所を計数し魚種判別の容易さを検討した。橘湾のタイムラプスカメラ画像のみで魚種が容易に判別できる画像は得られなかった。しかし,魚群形状や遊泳時の屈曲状態は確認でき、また音響データより、表層から底層にかけて尾叉長約10 cmの個体が多くいたことがわかった。また,水槽実験結果より、カメラの設置角度が大きくなると確認できる特徴点の数は多くなったが55度以上は差がなかった。計量魚群探知機の探知範囲も考慮し,光学カメラの最適設置角度は40度から55度であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス拡大の影響により,当初予定していた乗船調査の回数が激減し,実海域での実験を3回しか行えなかった。そのため,実海域で得られた結果をもとに,問題点となった点を検討・改良するために水槽実験を行ったが,システムの確認や改良に時間を要し,学会発表や投稿論文を行えるまでの結果を得ることができなかった。しかし,昨年度の結果より問題点は明確化され,学会参加により研究協力できる研究者も得られており,また,改良点や今後の方針は定まったため,次年度以降は,今年度の経験も活かし,問題無く進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の結果を踏まえ,光学カメラの最適設置角度40度から55度で固定し,定点設置型の計量魚群探知機に併設して海底に設置し、魚種判別が可能な画像が撮影できるか明らかにする予定である。 また,次年度以降の長期観測を想定し,まずはタイムラプスカメラのみを1ヶ月間海底に設置し,起こりうる問題点を確認する。さらに、昨年度の学会参加において情報共有できた韓国国立水産科学院のDr. Yoon UnAh博士が行っている韓国沿岸での浮魚類を対象とした計量魚群探知機を用いた定点観測に同行し,長期設置に伴う問題点を確認する予定である。彼らも魚種判別手法については開発できていないため,協力していく予定である。 一方、昨年度に実海域でタイムラプスカメラにより撮影された魚の腹側からの画像のみでは,容易に魚種判断することは困難であった。しかし,得られた画像からは,魚群構造の違いや遊泳行動にともなう魚体の変化は確認でき,魚種により異なる可能性が推測できた。そのため,今年度は,活魚を水槽に入れ,タイムラプスカメラを水槽底に固定し,魚種別の魚の腹側からの画像撮影を行う予定である。これにより,魚種別の魚体形状特性,遊泳時の屈曲運動の違い,群れ形状や魚群内の個体間距離の違いについて明らかにする予定である。これらの結果については,学会発表を行うとともに,論文投稿を行う予定である。
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