研究課題/領域番号 |
22K05807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
渡慶次 力 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (00604612)
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研究分担者 |
兼田 淳史 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (70304649)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 沿岸資源 / 漁獲量 / 潮位 / 海面水温 / 日本海 / 海洋環境 / 長期変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、農林水産統計と海況データを統計解析して、日本海における沿岸資源の漁獲量がどのように長期的に変化しているのか、またどのように海洋環境と関係しているかを解明することである。
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研究実績の概要 |
本研究は、農林水産統計と水位データを統計解析して、日本海における沿岸資源漁獲量がどのように長期的に変化しているのか、またどのように海洋環境と関係しているかを解明することを目的としている。今年度は、日本海のみ面する秋田県から島根県までの9県、50年以上のデータが蓄積されていた18種の魚種別・県別年漁獲量を用いて、以下の2つの視点から整理した。漁獲量データは、多魚種の沿岸資源を同一基準で比較・解析するために、年間漁獲量を解析期間の平均値と標準偏差値で標準化して使用した。 (1)対象の9県の経年変動を魚種毎に主成分分析した第1と第2モードに注目して、各魚種の各モードをクラスター分析して時間変動を類型化した。その結果、日本海における漁獲量変動は2つのクラスターに分類でき、それぞれのピークは1960から1970年代 (Cluster 1)、1960年代と2000年代(Cluster 2)であった。 (2)沿岸資源の漁獲量と海洋環境変動の関係を調べるため、(1)で得られた沿岸資源の各モードと日本海北部と南部の海面水温及び50年以上の記録がある潮位記録との相関関係を確認した。その結果、海面水温より水位の方が相関関係のある魚種が多く、Cluster 1で分類された、ひらめ、まだい、たこ類の第1モードは水位と有意な負の相関関係があった。水位は、鉛直積分した水温の指標となるため、海面水温より底魚や定着性魚種と相関が出やすいと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初想定していた研究内容を進めることができ、成果が得られている。 (1)日本海の沿岸資源漁獲量の長期的な時空間変動の特性の解明:日本海各県の18種の魚種別・県別年漁獲量を用いて、データ解析を行い、当初予定の成果が得られた。 (2)日本海の長期的な沿岸資源漁獲量と海洋環境との関係解明:本年度の解析により、重要な海洋環境の指標が分かったことから、次年度以降のデータ解析の方向性を決めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、研究計画に沿って、下記で示す2つの内容を進める予定である。 (1)日本海の長期的な沿岸資源漁獲量と海洋環境との関係解明:昨年度の解析結果を踏まえて、日本海全体の潮位変動が海洋の内部構造とどのように関係しているかを、水産資源の生活史を考慮して、船舶海洋観測の水温や塩分の鉛直分布データを使用して解析する。特に潮位との相関関係が見られた福井県のズワイガニを研究対象として集中的に解析を進める。 (2)水産資源の動向を予察:海洋環境との関係が示唆される水産資源については、今後の海洋環境の予測情報を踏まえた水産資源動向の予察を試みて、これから日本海で積極的に利用すべき魚種や危機的な状況にある魚種のリストを作成する。
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