研究課題/領域番号 |
22K05820
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
久保田 賢 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (00314980)
|
研究分担者 |
目崎 拓真 公益財団法人黒潮生物研究所, 研究部局, 研究所長 (20840482)
田口 尚弘 高知学園大学, 健康科学部, 教授 (80127943)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 網状進化 / ミドリイシ属サンゴ / マイクロサテライト / FISH分析 / 染色体 / FISH / マイクロサテライト配列 |
研究開始時の研究の概要 |
ミドリイシ属サンゴでは,様々な組み合わせの種間交雑が観察されており,網状進化の可能性が指摘されてきた。最近,胚の交配実験による網状進化の初期現象となる戻し交雑や5種のミドリイシ属サンゴの全ゲノム解析による浸透的交雑が報告され,長年の予測どおり網状進化はミドリイシ属サンゴの進化にとって一般的な現象である可能性が高まった。本研究では,その証明に有効と考えられる染色体解析用のプローブの開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
2022年度に,交雑胚が得られなかったことについて,主な原因が天候の問題であったため今後も同様な問題に直面する可能性もあり,そのような場合について,過去に採取したバンドルを使って交雑させ,染色体分析に適切なステージまで発生させて固定した保存試料での分析が可能かどうかを検討したところ,かなりの試料で問題なく使用できることが確認できた。しかしながら,2023年度も産卵時期の悪天候で,種間交雑の試料を採取することができなかった。 FISHプローブの開発において,対象としている種の群体から全ゲノムDNAを生成し,ゲノム配列を分析することが根本的解決法ではあるものの,当初の研究計画に含まれておらず,本助成では費用を捻出することが困難であった。ショートリードによるゲノム解析については,真核生物の全ゲノム分析が1試料当たり20万円前後まで安価になってきたが,FISH解析に十分な長さの繰り返し配列を把握するためには,ロングリードによるゲノム解析が望ましい。そこで,この分析だけ他の研究費を活用し,高知県大月町西泊のミドリイシの優占種であるクシハダミドリイシ(Acropora hyacinthus)のうち,バンドル(精子と卵を含むカプセル)の採取実績があり,物理的な環境要因によるダメージを受けにくい群体を選択し(水深2.3m,直径約60cm),その一部を採取してゲノムDNAを抽出し,ロングリードの解析を試みた。 キットを用いてライブラリーを調製し,Revio(PacBio)を用いてDNAシーケンシングを行なった。アダプター配列の除去,平均品質値が20未満のCCSリードの除去後のHiFiリードをhifiasmプログラムを用いてアセンブリを行ない,384コンティグを得た。Tandem Repeat Finder 4.09を用いて繰り返し配列のリストを作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゲノム配列分析のための高品質のゲノム試料調製において,サンゴ試料に混在するムコ多糖を主成分とする粘液の混入によると思われる精製指標の低値が続き,外注用のDNA試料調製が完了するまで約6ヶ月を費やすこととなった。そのため,その後の配列分析が年度末にずれ込み,2024年度はその詳細な解析から始めることとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は,当初計画により 2022年度および2023年度に実施していた交雑胚の調製を実施する予定であるが,天候不順により試料採取が2年連続でできなかったことから,その対策として,もし採取が不可能であった場合には,群体を用いた交雑確認実験を計画・実施する。
|