研究課題/領域番号 |
22K05833
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小山 喬 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (40749701)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | トラフグやせ病 / 多検体mRNA-seq / やせ病 / 小分子RNA / トラフグ |
研究開始時の研究の概要 |
近年の魚病研究はワクチン開発や耐病性育種が主になっている。しかし、これらの研究は成果が得られるまでに時間がかかるうえ、ワクチンに関しては認可のハードルも超えなければならない。水産養殖産業における魚病対策は喫緊の課題であり、上記の方法とは別の短期的に確立可能な魚病対策も考えなければならない。 そこで本研究では新たな魚病対策として、魚病発生を超早期に診断し、魚病被害を局所的かつ限定的なものにすることを目指す。そのために本申請では、魚類感染症の感染初期に宿主体液中に現れる小分子RNAを同定し、当該小分子RNAを非侵襲的に検出する方法を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、トラフグのやせ病をモデルとして、魚類感染症の感染初期に宿主体液中に現れる小分子RNAを同定し、当該小分子RNAを非侵襲的に検出する方法を開発することを目的として研究を進めている。目標を達成するには、「感染初期」を明確に定義する必要があるため、宿主トランスクリプトーム情報を使った感染段階の分類の可能性について令和4年度に検討を行った。その結果、宿主トランスクリプトーム情報がトラフグやせ病の感染ステージを把握するのに有用である可能性が示された一方、トランスクリプトーム解析に用いた腸管が適当ではない可能性が残った。
そこで令和5年度は、令和4年度に実施したトラフグやせ病感染試験と同様の試験を再度行い、腸管に加えて頭腎と脾臓についてもトランスクリプトーム解析を実施した。その結果、いずれの臓器についても顕著な結果の改善は認められず、したがって、やせ病の感染ステージ把握の目的においては、腸管よりも優れた組織は現時点では見当たらなかった。よって今後もトラフグ腸管を用いて感染ステージを把握していくこととした。
また、非侵襲的な感染ステージ把握を可能にするため、トラフグ糞便から小分子RNAを抽出できるかを検討した。その結果、適切な糞便保存方法と小分子RNA抽出方法を用いることで、糞便から小分子RNAを抽出することに成功した。抽出した小分子RNAよりライブラリ作製を行い、次世代シーケンス解析に付した。現在、取得したデータを解析している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験が全て達成できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
感染ステージ判定に有効なマーカー遺伝子を探索するため、再度感染試験と多検体mRNA-seqを実施する。 これまでに得た全てのmRNA-seqデータを統合して、環境や遺伝的要因によらないやせ病感染ステージ特異的マーカー遺伝子を探索する。
また、トラフグ糞便由来小分子RNA-seqデータの解析を進め、非侵襲的な感染ステージ把握に利用できるか検証する。
|