研究課題/領域番号 |
22K05850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松田 敏信 鳥取大学, 農学部, 教授 (40301288)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 内食・中食・外食需要 / 緊急事態宣言 / 時空間解析 / 自然実験 / 中断時系列デザイン / 因果推論 / 感染拡大 / 時空間統計 / 食料需要 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって生活様式が変容し,多くの消費者にとって外食の機会が減るとともに自宅で食事をとる機会が増えるなど,食生活にも大きな変化がもたらされた.本研究は,感染拡大が食生活に与えた影響を因果推論により厳密に把握しようとするもので,食料需要分析と因果推論に時空間統計を導入する点に学術的独自性と創造性があり,科学的根拠に基づく政策・ビジネスインプリケーションを提示することができる.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を自然実験とみなし,緊急事態宣言の内食・中食・外食需要に対する因果効果を明らかにすることである.そのために,月別・都市別の時空間データに一般化加法モデルの需要関数を適用することでアウトカムの時空間相関を考慮した上で,中断時系列デザインによる因果推論を行った.分析の結果,緊急事態宣言発令の効果として,発令前と比べて外食需要は74.0~89.6%減少したのに対して,内食需要は17.4~19.7%増加し,中食需要は5.7~10.6%増加したこと,また内食・中食・外食需要いずれについても,緊急事態宣言の実施期間が最も長い都市類型で効果の絶対値が最も大きいことがわかった.さらに,緊急事態宣言発令によって一旦変化した需要は,宣言解除によって発令前の状態に完全に戻ったわけではないこと,なかでも中食需要は,その手軽さからか,宣言解除後も特に減少しにくいことが示された.本研究では,時差が小さいほど時間効果が類似していることと,距離が小さいほど空間効果が類似していることを同時にモデルに反映させた結果,より現実的な因果推論が可能になったといえる.もともと食料のなかで最も代替されやすいという外食の性質も相俟って,緊急事態宣言発令という未曽有の外生的ショックにより,外食から内食や中食へ大規模な需要のシフトが起こったと考えられる.本稿における因果効果の推定結果は,国や地方自治体による飲食店への支援施策に一つのエビデンスを与えるものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一定の研究成果を出し,研究成果を学術雑誌に出版する準備を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
さらに精緻なモデルとデータを用いて,分析を深化させていく.
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