研究課題/領域番号 |
22K05852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 筑波学院大学 |
研究代表者 |
荒幡 克己 筑波学院大学, 経営情報学部, 教授 (90293547)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 水田畑地化 / 五年水張問題 / 米余り / 水田余り / 田畑輪換 / 動物性タンパク質摂取比率 / Asia Accelerated Growth / デンプン系食品 / Food Convergence / 米需給 / 作目転換 / food convergence / gastro-nationalism / Preston Curve |
研究開始時の研究の概要 |
世界共通で観察されている穀物からの栄養摂取の減少をPreston Curveとして描き、日本に関しては、歴史的データを辿り、国際比較を通してその特徴を明らかにする。次いで、同じく世界共通の現象として観察されているfood convergenceは、貿易統計等を基につして、同じく国際比較の視点から分析する。簡便化ニーズに基づく米食の忌避傾向は、家計調査や業界紙データを基に計量モデルにより定量的に把握する。供給に関しては、各県の水田園芸振興政策等を比較しつつ、その進捗度合いを比較分析する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、現下の農政で、「水田畑地化」の問題が焦点となったこともあり、本研究の三大テーマ、「栄養」、「食文化」、「作目転換」のうち、第三のテーマを優先して研究を進めた。このホットな話題である「水田畑地化」について、現行農政にも有益な知見を提供することを念頭に置き、異なる二つの手法により研究を進めた。 第一に、現下の農政課題を把握するために、以前から本研究及びその前身の研究でも行ってきた「全国各県調査」について、「水田畑地化」に焦点を当てて実施した。従来と同じ方法で、概ね2か年かけて全国を巡回調査する計画とし、今年はその一年目を実施した。県庁、県農協中央会を訪れ、県下の概要を把握した上で、より現場に近い市町村や単協を調査した。 第二に、北海道を除く内地について、明治以降の歴史的な水田土地利用の推移について、各種の統計データにより分析した。特に、水田と畑の比率に注目した。 第二の分析から得られたことは、現代が、日本農業が歴史的に経験したもっと高い水田比率である、ということである。明治初期は54%であったものが、現在、66~70%にも達している。農政が「水田畑地化」を推進する、ということは、歴史的に見ても「日本の伝統的な農村景観、原風景」を損なうものではなく、米需要の見通しを見れば、妥当な方向であることが明らかになった。 しかし、その一方で、第一の手法による分析で得られた結果は、この農政方針に対する厳しい現場で反発であった。県知事自体が政策の白紙撤回を求める等、一時は大混乱となっていた事実が明らかとなった。 以上を踏まえると、次年度も、一層この課題を深めて、農政の妥当性とそれへの現場の反感、この大きなギャップを、研究として冷静な視点で、客観的に解明していくことが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の三大テーマ、「栄養」、「食文化」、「作目転換」のうち、第三テーマに焦点を当てた。このため、「栄養」、「食文化」に関する研究は、やや停滞しているものの、第三のテーマは、大きく進展した。全体としては、概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続き、前年焦点を当てた「作目転換」について、特にその全国各県調査について、前年の残りの県を巡回調査するとともに、「栄養」、「食文化」のテーマに関する研究を進める。これらのテーマに関しては、戦後昭和20年代の栄養政策に関する県議会議事録の収集等、ある程度のデータ集めは着手しており、本年度、これを本格的に展開していきたい。
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