• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

災害下の地方FSCの行動原理と戦略的意思決定の解明-効率性と頑強性の視点から-

研究課題

研究課題/領域番号 22K05866
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41020:農業社会構造関連
研究機関山口大学

研究代表者

種市 豊  山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40640826)

研究分担者 平児 慎太郎  名城大学, 農学部, 准教授 (00391425)
小林 富雄  日本女子大学, 家政学部, 教授 (60592805)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード地域循環型流通 / 共同配送 / 貨客混載 / 小ロット / エッグショック / 巡回集荷 / 食品ロス / 基幹と抹消 / 基幹型 / 抹消型 / フードサプライチェーン / 災害輸送 / サーキュラエコノミー / 基幹と末梢 / 災害 / 効率性と頑強性
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、人口減少と地域産業の衰退する過疎地域において、農産物や食料品の供 給が災害などによりFSCが機能不全に陥った際、“長距離輸送・効率性に主眼をおいた基幹型”と“短距離輸送・頑強性に主眼をおいた末梢型”とでは、物流面・食料調達面でどういった性質の違いを有しているのか。また、両者の水平的な連携は、いかなる行動原理の下で成立するのかを論究することにある。本研究の独自性は、災害下の食品流通において物流面・調達面で「基幹型」と「末梢型」の違いを示し、水平的な連携条件が構築される過程と行動原理を解明する点にある。

研究実績の概要

本研究では、2023年に次のことまで解明している。
(1)「抹消型(農山村・地方量販店)」の関係性は、つぎのとおりであった。①直売所を基とした野菜流通は、巡回集荷や短距離輸送の成立が重要であるとした。②地方採卵養鶏業と地方量販店の関係は、短距離輸送の成立と、量販店が拠点事業者となることが重要となる。地方農山村は、物流2024年問題や人手不足によるドライバーの確保に苦慮している。そのため、量販店や食品産業は、共同配送への取り組みや新たなルートの見直しなどを行なっている。
(2)「量的抹消」「量的基幹」の解明・・・農山村は、必ずしも遠隔地にあるから「抹消」ではない。2023年度は、諸島や離島に焦点をあてた研究を実施した。「量的基幹型輸送」は、輸送する農産物の物量が大きい形態である。ロットが大きい農産物はトラックの積載効率が良い。大量に生産される作物は、計画的な出荷や輸送が容易である。そのため、末梢地区で生産された農産物であっても、ロットが大きければ運送業者から敬遠されることがない。少量生産の品目は、生産者による自主的な輸送、近隣の直売所までの取り扱いとなっている、仮に地理的に基幹の地域で生産される品目であっても、大ロット品目との共同配送すらなされない。産地は、今後マイナー品目に対して、どのような輸送体制を構築するのかが重要な課題である。
(3)貨客混載の継続性について・・・農山村ー直売所までの貨客混載のあり方を明らかにした。高齢者の出荷補助的役割であった。バス会社との協力体制や継続のあり方を解明した。
(4)現段階からいえること・・・・昨年度に比べ、農山村物流の継続は、品目による差があることが浮き彫りになった。しかし、従来研究を続けていた、直売所の巡回輸送などは、これ以上の結果が出ない。そのため、食品産業間の共同配送など他業種との連携を核に調査研究を実施しなければならない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請時と比較しても物流環境があらゆる点で変化していた。継続的な物流のあり方を模索するため、「物流2024年問題」が本格化する、本年度にあらためて調査を進めたい。

今後の研究の推進方策

2024年度は、次の点で研究を進めたい。
(1)農山村で特に共同配送や物流拠点の再整備を行っている地域に焦点をあてて、物流2024年度問題と小ロット輸送問題の課題を解明したい。
(2)昨年度、調査が困難であった災害と輸送の関係性と持続性についてを明らかにしたい。
(3)以上の結果をミニセッション(日本流通学会へ申請中)を申請している。分担者全員の報告会である。外部からの意見を受けて最終の取りまとめを実施したい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 採卵養鶏経営における流通チャネル管理の重要性ー中国地方の中規模採卵養鶏経営の事例ー2024

    • 著者名/発表者名
      橋本芙奈・種市豊
    • 雑誌名

      養鶏の友

      巻: 743 ページ: 43-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 中規模採卵養鶏経営のチャネル管理に関する一考察 : 山口県・島根県・鳥取県に焦点をあてて2023

    • 著者名/発表者名
      橋本芙奈・種市豊
    • 雑誌名

      農業市場学研究

      巻: 32(1) ページ: 12-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 調理食品専業メーカーにおける規格外セルリーの利活用 ~エム・シーシー食品株式会社と株式会社アグリセールスの連携~2023

    • 著者名/発表者名
      種市豊・木寺航大
    • 雑誌名

      野菜情報

      巻: 230 ページ: 43-50

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 食品ロス・食品廃棄物と物流2022

    • 著者名/発表者名
      小林富雄
    • 雑誌名

      物流問題研究

      巻: 72 ページ: 51-56

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 食品ロスを減らすための考え方2022

    • 著者名/発表者名
      小林富雄
    • 雑誌名

      保険の科学

      巻: 64 ページ: 4-9

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 中国地方における中規模採卵養鶏企業のチャネル戦略に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      橋本芙奈, 種市豊
    • 学会等名
      2022年度日本農業市場学会 全国大会 個別報告 2022年7月3日
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 第1回環境サロン:地産地消の農産物流通と輸送の課題を考える2022

    • 著者名/発表者名
      種市豊
    • 学会等名
      NPOうべ環境コミュニティー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 現代流通事典 第3版(6-9貨客混載)2023

    • 著者名/発表者名
      坂爪 浩史(監修)、日本流通学会(編集)
    • 総ページ数
      358
    • 出版者
      白桃書房
    • ISBN
      9784561652434
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] よくわかる流通論(第14章食品ロスと流通)2022

    • 著者名/発表者名
      番場 博之、大野 哲明
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093274
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi