研究課題/領域番号 |
22K05867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
大崎 優 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 講師 (80784420)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 酒造好適米 / 情報の非対称性 / 販売戦略 / 市場の失敗 / 品質問題 / 清酒 / 日本酒 / 農産物検査 / 酒米 / 等級 / フードシステム |
研究開始時の研究の概要 |
酒造好適米市場では、需要側である酒造メーカーと供給側である生産者の間で、品質情報に関する認識のミスマッチが発生している。これは主に、米に含まれるタンパク質などの品質情報の取扱いに依るものである。 本研究では、所蔵好適米生産の先進地である広島県と、後進値である高知県を事例に、酒造メーカー調査、生産者調査、農産物検査制度などを対象とした調査を行い、品質情報に関する認識のミスマッチを導く要因を整理し、実践的な事例から取引制度の再設計を行うことを目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、酒造好適米市場で発生している市場の失敗の要因を解明し、酒造好適米の需要と供給を適切に紐づける仕組みを構築することである。 上記の目的を達成するために、R5年度は広島県酒造組合、広島県内酒造メーカー6社、ホクレン、北海道ピンネ農協、北海道庁へのヒアリング調査を実施した。広島県の酒造メーカーのヒアリングでは、高知県での調査と同様に、酒造好適米の化学的な性質に対する考え方や製造・販売戦略に関して調査を行った。各メーカーとも多様な生産・販売戦略を持ちつつも、総じて広島県特有の状況である高い自県産酒造好適米の供給体制に支えられた販売戦略を持つことが明らかとなった。また北海道では、個々の農家が高い生産性を持ちつつ、JAが販売、生産支援の面で積極的な取り組みを行い、全国に高品質の酒造好適米の販売を広げていることが明らかとなった。これらは先行研究において指摘されていることの裏付けが取れた形となった。高知県、広島県、北海道のそれぞれが異なる酒造好適米の販売戦略を持つため、各地域の酒造メーカーもそれに応じた戦略を持つことが想定される。 また、調査の過程で、産業連関表による清酒製造業の投入構造が実態に即していない可能性があることが明らかとなった。このことについて、高知県内の酒造メーカーの協力のもと、投入構造の試験調査を行った。その結果、少なくとも高知県では一般的な清酒の投入構造と異なることが明らかとなった。 R6年度は過年度に実施できなかった高知県内の酒造メーカーの調査に加え、広島県での調査を継続し、本研究の目的である酒造好適米の需給を適切に紐付ける仕組みについて検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各地で行っている酒造メーカーの調査については、先方都合との調整の都合上、遅れが生じている。 また、生産者アンケートについても実施が延期となった。 その他、研究者の個人的な都合により研究が一時的に中断した時期があった。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は高知県内の全酒造メーカーの調査を実施する。現時点で日程調整が完了しており6月中に全メーカーを調査する。その後、広島県の酒造メーカーについても可能な限り調査を実施する予定である。
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