研究課題/領域番号 |
22K05868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡部 岳陽 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10371014)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 集落営農 / 地域農業 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、我が国農業の担い手として期待されてきた集落営農は、組織数、農地の集積面積ともに減少傾向にある。その要因の一つが、集落営農の解体によるものであり、今後も存続困難となった集落営農は解体に至るケースが増えていくことが予想される。 本研究では、①「政策対応型」あるいは「協業型」といった集落営農の形態の違いによって組織解体後の地域農業再編のあり方はどのように異なるのか、②組織解体後の地域農業再編のあり方において農業地帯別の特徴を見いだすことはできるのか、を分析・考察し、集落営農解体後の再編のあり方を規定する農業構造の特質について明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究初年度は、いわゆる政策対応型集落営農が広範に広がっている東北地域における集落営農の解散状況について、県・市町村レベルの現地実態調査を行い、以下の事実を把握することができた。 ①統計分析から予測されていたとおり、近年、非法人の枝番集落営農組織を中心に解散する事例が一定程度存在していた(調査対象県において年間15~25件)。ただし、その多くは実質的に個別営農を存続していた農家の集合体であり、設立以降、組織内において構成員の分化が進行していたとはいえ、組織解散後も地域農業の姿に大きな変化が生じなかったケースが少なくなかった。 ②集落営農を実質的に牽引していた構成員のリタイヤにより、解散に至ったケースもいくつか存在したが、そうした場合においても、周りに存在する農家や他の集落営農により農地の耕作が維持されており、地域農業において大きな問題は生じていなかった。 ③以上のように、現状では集落営農の解散は地域農業の縮小・解体にはつながっていなかった。とはいえ聞き取りを行った行政担当者はいずれも、今後経営維持が困難となる集落営農が急増することを危惧しており、そうした事態をカバーする担い手をいかに確保・育成していくかを喫緊の課題として指摘していた。今後、研究を進める際の視点として盛り込む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象の一つである東北地域を訪問し、集落営農解散の概況を把握することはできたが、当初計画していた他地域への訪問ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1年目に調査を行った東北地域において集落営農の解散事例の実態調査を進めるとともに、初年度訪問できなかった地域への調査を行う。 その上で、福岡、山形、茨城各県から選定した集落営農の解体が進行している市町村に対して現地調査を実施し、(ア)「政策対応型」集落営農の解体要因、(イ)集落営農解体後の地域農業の動向、について明らかにする。 また、研究3年目に実態調査を行う予定の愛知、滋賀の各県庁を訪問し、県行政が把握している県内市町村における集落営農の解体状況についてヒアリングを行うとともに、翌年に実施する調査地の選定に向けて協議を行う。
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