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有機学校給食は持続可能なローカルフードシステム構築にどのような貢献をするか

研究課題

研究課題/領域番号 22K05873
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41020:農業社会構造関連
研究機関秋田県立大学

研究代表者

谷口 吉光  秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (60222121)

研究分担者 西川 芳昭  龍谷大学, 経済学部, 教授 (80290641)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード有機給食 / 有機農業 / 学校給食 / 公共調達 / ローカルフードシステム / 地産地消 / 給食 / 公共給食 / オーガニック給食 / 地域農業 / 持続可能性
研究開始時の研究の概要

地元産の有機農産物を学校給食に使用する「有機学校給食」を導入する自治体が増えている。本研究では「有機学校給食には有機農業を地域に広める機能」と「持続可能なローカルフードシステム構築に寄与する機能」があるという仮説を立て、その検証のために、全国の有機給食導入事例を収集・類型化し、重要な数事例を選んでフードシステムの実態を分析する。また全国的なアンケート調査を実施する。以上の結果を踏まえて、有機学校給食の社会的意義と発展の課題、農業政策に対する含意等を明らかにする。有機農業の生産拡大と持続可能なフードシステムの構築という喫緊の課題に対して、社会学的視点から有益な知見を提供したい。

研究実績の概要

地元産の有機米や有機野菜を学校給食に使用する「有機学校給食」を導入する自治体が増えている。海外では有機学校給食は地域循環経済を構築するのに有効な「公共調達」として導入され、効果を上げている。これらを踏まえ、本研究では「有機学校給食には有機農業を地域に広める機能」と「持続可能なローカルフードシステム構築に寄与する機能」があるという仮説を立て、それを検証するために、有機学校給食を導入している全国の自治体の事例を収集・類型化し、そのなかの重要な数事例を選んでフードシステムの実態を分析し、事例調査を踏まえて全国的なアンケート調査を実施する。調査結果を考察して、仮説の妥当性を検討し、有機学校給食の社会的意義と発展の課題、農業政策に対する含意等を明らかにする。
1.全国の事例収集:PARC自由学校「学校給食という希望」講座(全7回)を受講し、国内外の事例を学んだ。日本消費者連盟が実施した全国アンケートの結果を入手し分析した。
2.事例調査:2023年度は、海外の先行事例として韓国京畿道華城市における親環境無償給食に関する予備調査を実施した。その結果、有機給食が日本よりはるかに体系的に制度化され、かつ効果的に機能していることを見出した。2024年度に本格調査を実施する計画である。また国内調査として、福島県喜多方市を調査した。関連して、有機農業の意味を再定義する課題にも取り組んだ。特に国の農業環境政策における有機農業の位置づけの変遷を調査した。また、有機農業が生態系創出に果たす機能を学ぶために、有機農業研究者会議2023に参加し、広島県における「農生物多様性を支える有機農業技術」の実態を視察した。
3.研究成果として、雑誌論文3本、学会発表2回、編著書1冊を発表した。また市民団体が主催する講演会で7回の講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.全国の事例収集は予定通り進捗している。
2.事例調査の結果、韓国華城市の取り組みは今後の日本の有機給食の参考になる大きな意義を見出した。また福島県喜多方市の取り組みは旧熱塩加納小学校の有機給食の伝統を生かそうとする市民運動と喜多方市の施策の間に調整の可能性があることを見出した。
3.有機農業の再定義に関しても、農業環境政策史の研究と広島県の生物多様性創出の取り組みから多くの知見を得た。
4.事例調査を踏まえてアンケートを実施計画であるが、すでに複数のアンケートが実施されていることがわかったので、本研究で改めてアンケートの行う必要があるかどうか検討している。それより華城市の事例分析に注力した方が意義が大きいのではないかと考えている。
4.以上の調査を踏まえて、仮説の妥当性を検討するとともに、有機学校給食の社会的意義と発展の課題、農業政策に対する含意等を検討し、研究成果をできるだけ広く公表する。

今後の研究の推進方策

1.事例調査としては韓国華城市における本格調査を実施する。また愛媛県今治市などの先行事例を調査する。
2.事例調査の結果を精査した上で、アンケートを実施するかどうかを決定する。
3.以上の調査を踏まえて、仮説の妥当性を検討するとともに、有機学校給食の社会的意義と発展の課題、農業政策に対する含意等を検討し、研究成果をできるだけ広く公表する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 日本における食と農の社会学:大きな可能性と大きな障壁2023

    • 著者名/発表者名
      谷口吉光
    • 雑誌名

      社会学年報

      巻: 52 ページ: 5-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 給食利用で広がる有機農産物の地域内流通2023

    • 著者名/発表者名
      谷口吉光
    • 雑誌名

      野菜情報

      巻: 233 ページ: 22-26

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 持続可能な農業2023

    • 著者名/発表者名
      谷口吉光
    • 雑誌名

      地上

      巻: 76 ページ: 44-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 今なぜ、有機学校給食なのか?:国内外の事例から考える2022

    • 著者名/発表者名
      谷口吉光
    • 雑誌名

      有機農業研究

      巻: 14(1) ページ: 4-6

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 農政における有機農業の位置づけの変遷から見る日本の農業環境政策の問題2023

    • 著者名/発表者名
      谷口吉光
    • 学会等名
      日本農業市場学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] みどり戦略と有機農業を考える7つの視点2023

    • 著者名/発表者名
      谷口吉光
    • 学会等名
      日本有機農業学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 森林環境2024 人新世の生物多様性2024

    • 著者名/発表者名
      森林環境研究会
    • 総ページ数
      164
    • 出版者
      森林文化協会
    • ISBN
      9784998087168
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 有機給食スタートブック2023

    • 著者名/発表者名
      靏理恵子・谷口吉光(編著)
    • 総ページ数
      204
    • 出版者
      農山漁村文化協会
    • ISBN
      4540221256
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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