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FIP対応型バイオガスCHP運用モデルの開発とBGP設計への適用

研究課題

研究課題/領域番号 22K05899
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
研究機関酪農学園大学

研究代表者

石川 志保  酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (30539804)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードFIP制度 / バイオガスCHP / バイオガスプラント / 出力調整 / バイオガス / CHP / 出力制御 / 家畜ふん尿
研究開始時の研究の概要

再生可能エネルギー(Renewable Energy,以下RE)発電の導入拡大に伴い,RE電源も需要と供給のバランスなど電力市場の状況を踏まえた発電をおこなう,自立した電源にしていく必要がある。このような状況に対して本研究は,バイオガスをエンジン燃料として利用する熱電併給システム(Combined Heat and Power,以下CHP)に着目し,RE電源に求められる新たな要件である「自家消費型」および「地域内消費」に対応したバイオガスCHPシステムの運用モデルを開発する。さらに,この運用モデルを備えたバイオガスプラント(Biogas Plant,以下BGP)が地域活用電源として最大限に機能するための設計条件も明らかにする。

研究実績の概要

バイオガスCHPによってFIT制度のもとで運用した場合の収入と,FIP制度で運用した場合の収入を比較した。FIP制度のもとではバイオガスCHPは様々な負荷変動に応じてCHPを制御領域内で効率的に運用することが求められるため,売電する時間帯が非常に重要となるが,バイオガスの貯留可能な時間が懸念される。したがって,バイオガスCHPステムの運用方針を定め,その具体的かつ利益最大化を目的とした運用手法を提案した。提案にあたり,実際の市場価格およびFIP参照価格の実データ(一般社団法人日本卸電力取引所)を用いて提案手法の有効性を明らかにすると共に,夏季および冬季のシミュレーションを実施して,その有用性を定量的に評価した。
夏季および冬季の代表日を設定し,実際の市場価格およびFIP参照価格の実データを用いて価格推移表を作成した。なお,計画値同時同量制度に即した30分単位の価格推移表とした。FIP事業収入は次の式で表される。
(FIP事業の収入)=(市場収入)+(プレミアム)-(バランシングコスト)
ここでプレミアム価格は,30分毎の変動プレミアム価格(=(基準価格)-(市場価格))を算出し,それらの平均を取ることで概算した。バランシングコストは考慮しなかった。
毎時一定電力量を売却すると仮定すれば,月によってはFIT制度下の方が高くなる場合がある。その一方で,例えば冬季の17:00~19:00は44.33円/kWh~44.94円/kWhと売電価格が高水準であるため,FIT価格未満の2時間は発電機を停止して,高水準の時間帯に一気に出力することで高い事業収入が得られることになる。必要になるガスバッグ容量は日によって大きく変化するため予測することが困難であることから,価格変動に応じたバイオガスCHPによる柔軟な出力調整が重要であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は,地域活用電源機能を備えたバイオガスプラントの高度利用化に向けた検討を計画していた。具体的には,CH Pユニットの適切な設備容量,設置数,ガスバッグ容量などの設備構成を設計する。しかしながら,メタン発酵槽は地理的配置・熱需要の多寡は様々であり,原料となるバイオマスの量や性状の変動による影響を受けることから,まずは生成するバイオガス性状(条件)を固定し,FITおよびFIP制度のもとで運用した場合の収入を比較した。
一方で,FIP制度を適用した場合の検討では,実際の市場価格およびFIP参照価格の実データを用いて提案手法の有効性を明らかにし,成果を展開することで,現状でのFIP価格を適用した場合の1日の総売電金額が試算可能となった。FIT価格未満の時間帯はバイオガスを貯留し,最高値で売却する場合の利益について継続的な試算を実施して定量的な信憑性を示す必要がある。以上より,本年度はやや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

令和6年度は,2030年代における北海道地域におけるバイオガスCHPの潜在的な有用性を定量的に評価する。具体的には,バイオガスCHPの活用によって,北海道全体で導入可能なRE電源容量がどの程度増加させられるかを評価する。さらに,バイオガスのアップグレード化,例えばバイオメタンや水素社会を想定した利用モデルを想定し,その導入効果あるいは経済性(価値)を評価する。特に,FIP制度適用時の売電量とFCV運用のための水素製造量の分配率を算定し,いくつかの応用可能性を検討する。このとき,水素の生成量・タンク容量・使用量などを考慮した動的計画法モデルとする。また,売電金額の予測モデルを作成し,最も高額に売却できる手法を開発する。得られた結果を取りまとめ成果の発表を国内外で行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] OTH Amberg-Weiden Technical Univ.(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] OTH Amberg-Weiden(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] バイオマス利活用の現状とこれからの展望2022

    • 著者名/発表者名
      石川 志保
    • 学会等名
      一般社団法人日本太陽エネルギー学会 第34回太陽光発電部会セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 環境保全型農業を支えるバイオマスの利用技術とSDGs達成に向けた新たな挑戦2022

    • 著者名/発表者名
      石川 志保
    • 学会等名
      北海道畜産草地学会第11回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 農業・食料生産分野における バイオマス利用工学2023

    • 著者名/発表者名
      農業食料工学会生物資源部会
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      コロナ社
    • ISBN
      9784339066654
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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