研究課題/領域番号 |
22K05900
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
木村 賢人 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (60596675)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 氷冷熱利用 / 省エネ効果 / 賦存量 / アイスシェルター / 自然エネルギー / 冷熱賦存量 |
研究開始時の研究の概要 |
北海道十勝地方は、冬期の自然冷気によって自然氷を大量に製造できることから、氷冷熱利用に適した地域である。一方で、その利用を促すためには、氷冷熱を利用することによる省エネ効果や、地域に存在する自然氷の冷熱賦存量を把握する必要がある。本研究では、帯広市に建設された実証実験用の氷冷熱型農産物貯蔵庫で得られる観測データを利用して、省エネ効果および自然氷の冷熱賦存量の評価方法を検討する。さらに、北海道十勝地方を対象に検討した評価方法とメッシュ農業気象データを用いて、この地域に存在する自然氷の冷熱賦存量と、それを利用したときの省エネ効果について検証する
|
研究実績の概要 |
少雪寒冷地域の北海道十勝地方において、冬期の自然冷気によって大量の自然氷が製造できる。本研究では、自然氷の利用による省エネ効果と、地域に存在する氷冷熱の賦存量の評価方法を確立することを目的としている。2022年度は、自然氷の省エネ効果の把握するための基礎データを得るため、帯広市に建設された氷冷熱型貯蔵庫において気温、水温などを観測するとともに、既往の製氷・融解モデルから製氷量と融解量を推定した。 2023年度は、これらの観測・解析を行うとともに、メッシュ農業気象データと国土数値情報を用いて、氷冷熱利用適地の検証と賦存量の推定を試みた。既往の文献から賦存量の評価方法として、理論的に利用できるエネルギー量である「潜在賦存量」と、様々な期待可採条件(制約条件)を考慮し実際に利用可能なエネルギー量である「期待可採量」がある。十勝地方の氷冷熱の潜在賦存量は、気温が低い地域で大きくなる。ただし、気温が低くても標高が高い山岳地域では施設の建設や農産物の運搬を考えると現実的ではない。そこで、氷冷熱の利用に適した条件(期待可採条件)を設定し、氷冷熱に利用に有望な地域を検討した。設定した期待可採条件は、(1)0℃未満の日平均気温を積算した絶対値である積算寒度が400℃d以上、(2)土地利用として建物用地,道路,荒地,海浜,その他の用地の割合が1%以上、(3)土地の傾斜角度が3°以下である。これらの条件に見合う土地を有望地域、さらに、有望地域に賦存量を期待可採量として算出した。その結果、有望地域は十勝平野に広がり、さらに主要道路があることから農産物の運搬なども問題ないことが示唆された。また、推定された期待可採量も、氷冷熱の利用において問題ないと想われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と同様に、結合解析のために検討している数値シミュレーションについて思うような結果が得られなかった。それにより、期待可採量の推定に必要な期待可採条件に関する文献調査が十分に行うことができなかった。ただし、全体的には大きな遅れには至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)有効氷量と必要氷量の検証:氷冷熱型貯蔵庫では、環境調節に使用される「有効氷量」と、有効氷量を維持する「必要氷量」という考え方がある。これらの氷量について氷冷型貯蔵庫でこれまで行ってきた観測から明らかにする。 (2)期待可採条件の再検討:2023年度において検討した期待可採条件について、温暖化による影響や土地利用条件などについて改めて検討する。再検討された条件から期待可採量を推定する。 (3)結合解析による省エネ効果の見える化の試み:(1)と(2)の検討結果に加えて、貯蔵庫の環境評価に必要な数値シミュレーションを用いて、氷冷熱型貯蔵庫の省エネ効果および十勝地方の氷冷熱の利用可能性について評価する。
|