研究課題/領域番号 |
22K05903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
内平 直志 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (30393838)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 農業ナレッジマネジメント / デジタルツイン / 物理センサー / 気づき / 機械学習 / 音声つぶやきシステム / 知識共有 / 潜在知識 / スマート農業 / ナレッジマネジメント / Internet of Things / 人間センサー |
研究開始時の研究の概要 |
農業の知識共有・継承の手段として,IoTやAIを活用するスマート農業の研究・開発が推進されているが,農業の現場で利用可能な物理センサーは温度・湿度・土壌センサーなどに限られる.一方,農業者の五感による「気づき」は物理センサーでは不可能な様々な状況を検知できるセンサーである.本研究では,農業者の作業中の気づきを音声でその場で入力し,物理センサーと人間の気づき(人間センサー)のデータを統合・分析・知識化するとともに,農業者の更なる気づきを誘発し潜在的な知識を言語化する人間と機械(IoT/AI)の協働型の農業ナレッジマネジメントシステムを提案・開発し,農業の現場で長期間試行し有効性を評価する.
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研究実績の概要 |
提案書の研究計画に従い,下記の研究開発を行った. (A)「物理センサーと人間の気づきの統合・分析による可視化・知識化技術の開発」に関しては,物理センサーと人間の気づきデータの統合・分析するための要素技術を開発した.具体的には,機械学習の1つである決定木手法を用いてモデルを開発し,野菜栽培の実験環境で物理センサーデータと気づきデータを収集し,物理センサー単体に比べ気づきデータを統合することで,モデルの精度が向上することを示し,その成果を電子情報通信学会の研究会で発表した. (B)「農業者の気づきを誘発する気づき支援技術の開発」,(C)「農業者の気づきの相互作用による潜在知識の言語化支援技術の開発」(D)「蓄積された知識の活用(内面化)手法の開発」に関しては,要素技術に関する文献調査を行い(B)(C)(D)を包括する「Human Centricデジタルツイン」のコンセプトを提案し,研究・イノベーション学会の年次学術大会で発表した.(E)「農業ナレッジマネジメントシステムの開発」に関しては,既存の音声つぶやきシステムのアーキテクチャを再設計し,最新のプラットフォームを活用した拡張性の高いシステムを開発し,2023年度以降の要素技術の試行評価への準備を整えた.(F)「農場での長期間試行評価」に関しては,研究協力者の「ぶった農産」で予備試行調査を行い,要素技術開発のためのデータ収集を行った.具体的には,物理センサー(気温・地中温度・照度・土壌水分・水位・水温)計13台を圃場に設置し物理センサーデータを収集するとともに,農作業者の気づきを音声つぶやきシステムで収集し,主に(C)「農業者の気づきの相互作用による潜在知識の言語化」のデータ収集および知識共有のワークショップを実施し,音声つぶやきシステムで言語化された潜在知識の有効性を確認した.その成果を日本農業普及学会春季大会で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案書の研究計画に対して概ね計画通りの研究開発を実施できた.本研究の意義・位置づけを包括的に示した「Human Centricデジタルツイン」のコンセプトを提案することで,今後の研究開発の見通しが良くなった.また,音声つぶやきシステムのアーキテクチャを再設計することで,今後研究開発していく要素技術の組み込みが容易になり,本格的な試行評価の準備を整えることができた.
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今後の研究の推進方策 |
提案書の研究計画に従い,(A)「物理センサーと人間の気づきの統合・分析による可視化・知識化技術の開発」に関しては,より精度の高い機械学習手法を開発する.(B)「農業者の気づきを誘発する気づき支援技術の開発」,(C)「農業者の気づきの相互作用による潜在知識の言語化支援技術の開発」(D)「蓄積された知識の活用(内面化)手法の開発」に関しては,要素技術を開発し,(E)「農業ナレッジマネジメントシステム」に組み込んでいく.また,(F)「農場での長期間試行評価」に関する準備を進める.
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