研究課題/領域番号 |
22K05907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田川 公太朗 鳥取大学, 農学部, 准教授 (30315113)
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研究分担者 |
劉 佳啓 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特命助教 (80823898)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 風洞実験 / 傾斜平板群 / 太陽光パネル / 風速分布 / 粗度長 / 植物群落 / 太陽光パネル模型 / 風速比 / 風速低減効果 / 風の流れ構造 / 流れの可視化 / 植物生育環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,ソーラーシェアリングとして農地に導入された太陽光発電設備周辺部の風況特性を評価するための基礎的知見を得ることである。具体的には,太陽光パネルを模擬した傾斜平板群周囲における風速の鉛直・水平方向分布および風の流れ構造を風洞実験および可視化実験により解明する。さらに,平板下方に植物群落を模擬した柔軟構造体を設置し,太陽光パネルと群落間で生じる風の流れ場と群落の動的挙動への影響を検討する。
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研究実績の概要 |
太陽光発電パネル群を模擬して規則的に配列された傾斜平板群周辺部における風速分布変化について,風洞実験を実施した.特に,パネル群後方の鉛直方向速度分布の粗度長の変化について,傾斜平板へ流入する風向き(順風:太陽光パネル表面側へ流入,逆風:裏面側へ流入)の影響を検討した.パネル群下流の同一距離において,逆風の場合の粗度長が順風の場合の粗度長よりも3倍ほど大きくなる傾向を示すことが明らかになった. 一方で,ソーラーシェアリングを想定して,傾斜平板群の下方に農地での作物栽培を模擬した模型を設置する風洞実験を行った.まずは葉菜類を対象とした植物群落を想定した.太陽光パネル下の農地に均一な栽培密度の植物群落を仮定し,太陽光パネルを模擬したアルミ傾斜板と植物群落を模擬した植生模型から構成される実験モデルを設計した.具体的には,実際のソーラーシェアリングの1/20~1/30の規模,植物群落模型の高さをパネル高さの10%となる実験系を新たに構築した.小型風洞(吹出口 0.2m×0.2m)を用いて,太陽光パネル-植物群落間における鉛直方向の風速分布を測定し,本実験条件下では植物群落の模型上に形成される境界層の厚みが下流に向けて発達し,傾斜平板の設置枚数(3枚~9枚)が増加するにつれ,パネルの設置高さの5%~9%程度の範囲に到達することがわかった.植物群落模型の粗度長および地面修正量を算定し,風速分布の特性に関する知見を得ることができた.これらの結果は,風の流れ構造の解明や,ソーラーシェアリング下の風が植生へ与える影響を検討するうえで,基礎的な知見となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度から継続して風洞実験を実施し,データを蓄積することができている.また,太陽光パネル-作物群落の空間模型を設置した測定場および熱線風速計による測定システムを新たに構築することができた.ソーラーシェアリングを模擬した風洞実験を開始することができ,実験データを蓄積し始めている.いずれの風洞実験も当初の研究計画通りに進んでいる.また,研究成果の一部を関連分野の学会にて発表した.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として,1)傾斜平板群の縦・横列数や間隔などを変えて配置した平板群近傍および下流域における鉛直方向の風速分布に関する風洞実験,および2)ソーラーシェアリングの太陽光パネル-作物群落の空間における風速分布に関する風洞実験を実施し,風速分布に関するデータを蓄積する.さらに,流れ構造の解明に向けて,流れの可視化についての測定システムを構築することが重要となる.一方で,令和6年4月1日から研究分担者が外れ,研究体制が変更となった.当該分担部分を研究代表者が引き継いで実施するが,研究分担者の役割および得られた知見についての共有が十分にとれているため,当初の研究計画どおりに実施していく.
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