研究課題/領域番号 |
22K05923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
紺屋 秀之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, グループ長補佐 (60391512)
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研究分担者 |
松本 将大 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, 研究員 (10761918)
藤原 英司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20354102)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ロボット農機 / 安全センサ / 土壌粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
農作業で飛散する土壌粒子は農作業ロボットの安全センサの誤検出を発生させる環境要因の一つである。土壌粒子は、様々な粒径、密度の粒子の凝集体であり、その飛散プロセスは複雑かつ多様であり、誤検出が発生する条件は明らかになっていない。本研究では、誤検出が多発する条件下で飛散する土壌粒子の特徴を現場環境で特定し、実験室環境下で土壌粒子の飛散を再現する方法を確立する。土壌粒子飛散の再現方法が農作業ロボットの開発に活用されることで、検出精度の高い安全な農作業ロボットの普及及び誤検出低減による農作業ロボットの稼働率向上に貢献する。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、農作業で発生する土壌粒子が人・障害物センサに影響を与える条件を明らかにするため、耕うん、肥料散布、水田追肥、路肩草刈、ジャガイモ掘取、水稲収穫、大豆収穫の計7作業について、バインダーフィルタ(柴田科学TF98R φ55)を装着した粉じんサンプラ(農機研製、流量20L/min)で実作業時(旋回含む10分間)の農業機械の機体前後に浮遊する粉じん濃度を測定した。7作業の粉じん濃度は機体前方、後方それぞれ0~13mg/m3、1~104mg/m3と、後方の方が多かった。 前述の結果を基にほ場作業時における粉じん浮遊状況を屋内で再現する試験装置の構成を検討し屋内試験装置を試作した。土壌粒子散布装置として市販の動力散布機2種類の選定と振動パーツフィーダとモータ式回転羽根用いた散布機(パーツフィーダ式)を試作し、粒径0.5㎜以下に調整した土ぼこりサンプルを用いた試行を実施した。散布に用いた動力散布機2種類では、ホッパ内出口付近でサンプルに頻繁な詰まりが生じたため、安定して連続的なサンプルの散布が困難であった。一方、パーツフィーダ式では、詰まりは生じなかったが、サンプル搬送量がばらつく傾向にあり、これは試験開始時のサンプル投入量のばらつきによるパーツフィーダ振動数の変動や吐出口付近のサンプルの偏りが原因と考えられた。測定開始時の投入サンプル量の均一化やサンプル吐出口の改善を図る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R4年度に当初の予定よりもほ場試験回数を確保することが困難であったため、その分の試験をR5年度に実施し、トータルとしてのほ場試験回数が目標に至らなかった。また、屋内試験装置おいて土壌粒子の散布量の制御が困難であることが明らかとなり、調整に時間を要している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、LiDAR等のセンサに影響を与える土壌粒子の物性と飛散状態を定量化・再現するためにR5年度に試作した屋内試験装置を使用してデータ蓄積を行うとともに装置の改良を行う。具体的には、散布機で土壌粒子を飛散させ、その際に、安全センサ、土壌粒子の捕集機、パーティクルマスモニタ(土壌粒子の質量濃度を計測)等を、高さを変えて設置し、センサ情報を取得して、センサ検出精度に影響を与える土壌粒子の物性条件を定量化する。また、装置改良については、測定開始時の投入サンプル量の均一化やサンプル吐出口へスクレーパ等の均し機構の装着・形状変更等により改善を図る予定である。また、将来的に人工的に土壌粒子の飛散を発生させる再現装置を開発することを目的として土壌粒子の代替が可能な物質を選定し、その有効性を検証する。
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