• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

植物果実によって誘導される担子菌に潜在する特異的糖転移反応の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05934
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41050:環境農学関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

岡本 賢治  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (80283969)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードブナ科 / マテバシイ / ムクロジ科 / トチの実 / 多糖 / カワタケ科 / シワウロコタケ科 / コレステロールエステラーゼ / ドングリ / 担子菌 / ウロン酸 / タンニン / 植物果実
研究開始時の研究の概要

多糖類は自然界に広く存在し、生物において外部刺激に対する環境応答や生体防御に関わる多彩な生理機能を担い、産業上の重要な素材としても様々な場面で利用されている。申請者は野生担子菌に潜在するバイオマスからの有用物質変換能を探索していく中で、植物果実ドングリを用いた系でのみ細胞外多糖が顕著に生産される現象を見いだした。本研究では植物果実によって担子菌が誘導される特異な糖転移反応の解明と多糖の特性解析を目指す。

研究実績の概要

ブナ科マテバシイ属の常緑広葉樹Lithocarpus edulisの果実ドングリを粉砕した培地に白色腐朽菌Peniophora sp.を生育させた結果、顕著な多糖を生産する現象に着目した。当該多糖はフコース、ラムノース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、キシロース、マンノース、およびウロン酸から構成されるペクチン様多糖であった。原料のドングリに由来した糖をベースに多様な糖が複雑に結合した構造と推測する。カワタケ科のPeniophora sp.以外にも同条件で多糖を生産する菌株を調べたところ、シワウロコタケ科のPhlebia acerinaにおいても多糖の生産を認めた。Peniophora sp.が生産する多糖の分子量が約5,500であるのに対し、Phlebia acerinaは約6,300であった。多糖の構成糖は同様であったが、Peniophora sp.はグルコースが、Phlebia acerinaの方はウロン酸の含量が高い傾向を示した。また、ムクロジ科トチノキ属の落葉広葉樹Aesculus turbinataの果実として知られるトチの実を原料にした場合でも、両菌株は多糖を生産可能であった。
一方で、これら培養物における多糖以外の有用物質の探索を行ったところ、抗酸化活性のほか、トチの実を用いたPeniophora sp.の培養ろ液では腸管内でのコレステロール吸収に関わる酵素コレステロールエステラーゼに対して比較的強い阻害活性を検出した。多糖そのものは阻害活性を示さず、菌未接種の培地では認められなかったことから、多糖とは別に生産される低分子化合物に起因するのではないかと考え、分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

担子菌Peniophora sp.に加え、Phlebia acerinaにおいてもブナ科ならびにムクロジ科の植物果実を原料とした場合に菌体外多糖を生産することを明らかにした。当初の計画通りに進んでおり、多糖以外にも生理活性の存在を認めるなど興味深い知見を得ている。

今後の研究の推進方策

野生担子菌が植物果実から生産する多糖を解析するとともに、別途生産される有用物質についても調査を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 食用きのこによる発酵豆乳に見いだしたDPP-4阻害ペプチドによる2型糖尿病の予防2022

    • 著者名/発表者名
      岡本賢治
    • 雑誌名

      化学工業

      巻: 73 ページ: 601-605

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Peniophora属担子菌が植物果実との培養で特異的に生産する物質2023

    • 著者名/発表者名
      遠嶋詩織,杉田莉沙,桑田涼香,岡本賢治
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部第67回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 食用きのこFlammulina velutipesによる有用物質生産2023

    • 著者名/発表者名
      安竹貴斗,糀和也,高橋晶子,岡本賢治
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部第67回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi