研究課題/領域番号 |
22K05937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
入江 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (30336721)
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研究分担者 |
中川 敏法 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (00734261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 白色腐朽菌 / 食用きのこ / シイタケ / ひらたけ / ゲノム編集 / 飼料 / CRISPR/Cas9 / 養殖飼料 |
研究開始時の研究の概要 |
侵略的外来植物種などの強い繁殖力を持つ植物は移入先の生態系に悪影響を与えるが、完全駆除は困難であり、多大な労力とコストをかけて対処的に処理されている。もし、これら駆除対象植物を実用的な飼料材料へと変換できるのならば、一定の収量が期待できる持続可能資源となる。白色腐朽菌は低窒素な木質内において細胞壁成分全てを効率的に分解する。本研究は、駆除対象植物の「発酵」に適した白色腐朽菌の分子育種を行う。得られた株による発酵処理により供試植物の繊維成分(ほぼ細胞壁成分に等しい)を低減させると共に相対的タンパク質増加を行い、飼料材料としての性能を向上させる。
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研究実績の概要 |
6月から8月にかけてクズ葉を回収し、ヒラタケ野生型株およびΔAreA株を用いた大規模発酵処理試験を行った。しかし、約8割程度の処理区において雑菌のコンタミネーションが発生したため試験を中断した。オートクレーブの条件を121度、60分から121度、120分に変更して再試験を行ったが、結果は変わらなかった。今回の培養のために準備した培養袋に問題がある可能性があるため、通気性フィルターの部分などを改良する予定である。また、滅菌条件を再検討する。 本研究では、分子育種技術開発が進んでいるヒラタケを主な供試菌株として使用しているが、過去の解析からシイタケも有望な供試菌になる可能性が示されている。シイタケを供試菌として使用するためには、まず分子育種技術の開発が必要となる。昨年度、本研究においてCRISPR/Cas9カセットを持つCas9ベクターの一時的導入による遺伝子ターゲティング系(相同組換えによる遺伝子破壊系)を開発した。本年度は遺伝子ターゲティングにより標的遺伝子と置換される選択マーカー遺伝子にリサイクリングマーカーを使い、組換えの痕跡を残さない遺伝子破壊系をシイタケで実現した。また、CRISPR/Cas9において危惧されているオフターゲット効果を低減するための技術の一つとしてD10A変異によりニッカーゼ化したCas9を用いたダブルニッキング法の適用性について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実用化につなげるためにはクズ葉の大量発酵処理が不可欠だが、少量培養では観察されなかった雑菌のコンタミネーションが発生している。大型固形物のオートクレーブにおいて内部温度の上昇が遅れる事はよく知られていることであるが、きのこ菌床などの他の例からしても十分な条件を試しているはずなのに問題は続いている。培養袋の問題など他の可能についても検討している。シイタケの分子育種技術の開発については順調である。
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今後の研究の推進方策 |
培養袋の改良を行う。また、γ線殺菌などの滅菌方法についても検討する。分子育種については、シイタケにおいて組換えの痕跡を残さないΔAreA株の取得などを行う。また、新規育種ターゲット遺伝子の検索も継続して行う。
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